ボイラー技士の試験科目・出題範囲

二級ボイラー技士はボイラーの構造に関する知識10問、ボイラーの取扱いに関する知識10問、燃料及び燃焼に関する知識10問、関係法令10問の全40問で、各科目40%以上かつ合計60%以上が合格の条件です。

範囲の語は告示の文言をそのまま使った。一級は二級の範囲に、構造の「材料」「据付け」、取扱いの「損傷及びその防止方法」、燃料及び燃焼の「燃焼理論」「燃焼装置」が加わる。関係法令の範囲は一級と二級で同じ。特級はさらに「強度」「工作」「熱管理」とボイラー構造規格の全体が加わる。★の優先度は、協会の公表試験問題4回分(2023年下期掲載、令和7年4月・10月掲載、令和8年4月掲載)を当サイトがテーマ別に数えた結果をもとにした目安で、4回分なので1問前後は回によって動く。

★の学習優先度は当サイト独自の分析です。科目名と項目は公表内容に基づく事実です。

二級ボイラー技士では何が出る?

伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラーで、ボイラー取扱作業主任者に選任される免許。小型ボイラーを除くボイラーの取扱いはボイラー技士でなければできないため、ビルや病院の暖房・給湯、工場の製造設備のボイラーを扱う仕事で求められる。受験資格はなく、誰でも受験できる。

4科目・全40問(各科目10問)の五肢択一で、試験時間は3時間。各科目40%以上かつ合計60%以上で合格する。1科目でも4問を下回ると合計点に関係なく不合格なので、捨てる科目をつくらずに4科目を同じ深さで仕上げる。

ボイラーの構造に関する知識(10問)|告示の範囲: 熱及び蒸気、種類及び型式、主要部分の構造、附属設備及び附属品の構造、自動制御装置

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
ボイラーの種類と主要部分
  • 丸ボイラー(炉筒煙管・煙管・立て)
  • 水管ボイラー
  • 貫流ボイラー
  • 鋳鉄製ボイラー(セクション、ハートフォード式連結法)
  • 胴・鏡板・ステー・マンホールなどの穴
  • 伝熱面と燃焼室

10問中4問前後を占める。鋳鉄製ボイラーは集計した4回すべてに出ており、炉筒煙管ボイラーと貫流ボイラーも4回中3回出ている。

★★★
附属品と附属設備
  • 安全弁・逃がし弁・逃がし管
  • 圧力計(ブルドン管)・水高計・温度計
  • 水面計・水位検出器
  • 給水装置(給水弁・逆止め弁)
  • 蒸気トラップ
  • エコノマイザ・空気予熱器

10問中3問前後。温水ボイラーの逃がし管・逃がし弁は4回中3回出ている。関係法令の構造規格と内容が重なるので、覚えた分が2科目で使える。

★★★
熱・蒸気と伝熱の基礎
  • 温度・圧力(ゲージ圧力と絶対圧力)
  • 顕熱と潜熱
  • 飽和蒸気・過熱蒸気
  • 比エンタルピ
  • 伝熱(放射・対流・伝導)
  • ボイラー水の循環

4回すべてで出ているが、問題数は1〜2問。用語の定義を問う形が多く、覚える量のわりに確実に取れる。

★★☆
自動制御
  • オンオフ制御・比例制御などの種類
  • 温度調節器
  • 水位制御
  • 燃焼安全装置と火炎検出器
  • シーケンス制御の電気部品

4回すべてで出ているが、1〜2問にとどまる。火炎検出器の種類と、それが検出する対象の組合せが問われやすい。

★★☆

ボイラーの取扱いに関する知識(10問)|告示の範囲: 点火、使用中の留意事項、埋火、附属設備及び附属品の取扱い、ボイラー用水及びその処理、吹出し、清浄作業、点検

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
運転の手順(点火から停止まで)
  • 点火前の点検・準備(プレパージ)
  • たき始め・圧力上昇時の取扱い
  • 燃焼の維持・調節
  • 逆火の原因
  • 運転停止とボイラー水の排出

10問中3問前後。たき始めと圧力上昇時の弁・コックの扱いは4回すべてで出ている。手順の順番を入れ替えた誤りの選択肢が多い。

★★★
ボイラー用水・水処理・保存
  • ボイラー水中の不純物(硬度成分・溶存気体)
  • 清缶剤・脱酸素剤
  • 単純軟化法
  • 溶存気体の除去
  • 休止中の保存法(満水保存・乾燥保存)

水処理は4回すべてで出ており、不純物も4回中3回。単純軟化法のグラフを読む問題も出ている。

★★★
異常時の対応
  • 水位の異常低下(原因と措置)
  • キャリオーバ(プライミング・ホーミング)
  • 燃料遮断弁が作動する原因
  • 緊急停止の手順

10問中2問前後。キャリオーバと水位の異常は4回中3回出ている。

★★☆
附属品の取扱いと点検
  • 安全弁の調整・試験・蒸気漏れ
  • ガラス水面計の機能試験(時期と手順)
  • 水位検出器の点検整備
  • 給水ポンプ(ディフューザポンプ)の取扱い
  • 吹出しの操作

安全弁、水面計、ディフューザポンプがそれぞれ4回中3回出ている。弁を操作する順番を覚えれば解ける問題が多い。

★★☆

燃料及び燃焼に関する知識(10問)|告示の範囲: 燃料の種類、燃焼方式、通風及び通風装置

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
燃焼の方式と装置
  • 燃焼の基礎(燃焼の三要素、空気比)
  • 一次空気と二次空気
  • 燃焼室熱負荷
  • 油バーナの種類(圧力噴霧式・回転式・蒸気噴霧式など)
  • 燃料油の供給装置と重油の加熱
  • 気体燃料の燃焼方式

10問中4問前後で、燃料科目の中心。燃焼の基礎、油バーナ、燃料油の供給装置は集計した4回すべてで出ている。

★★★
燃料の種類と性質
  • 燃料の分析(工業分析・元素分析)
  • 引火点・着火温度
  • 発熱量(高発熱量・低発熱量)
  • 重油の性質と含有成分による障害
  • 気体燃料・固体燃料の特徴

10問中3問前後。燃料の分析と重油の障害は4回すべてで出ている。引火点と着火温度を入れ替えた選択肢がよく作られる。

★★★
通風・熱損失・環境
  • 自然通風と人工通風(押込・誘引・平衡)
  • ファンの種類
  • 熱損失
  • 大気汚染物質(窒素酸化物・硫黄酸化物・ばいじん)の発生と抑制
  • 低温腐食

通風は4回すべてで出ており、窒素酸化物の抑制は4回中3回。熱損失と低温腐食は出ない回もある。

★★☆

関係法令(10問)|告示の範囲: 労働安全衛生法・同施行令・安衛則中の関係条項、ボイラー及び圧力容器安全規則、ボイラー構造規格中の附属設備及び附属品に関する条項

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
検査と手続き
  • 製造許可・構造検査・溶接検査・使用検査
  • 設置届と落成検査
  • 性能検査と検査証の有効期間
  • 変更届・変更検査
  • 休止と使用再開検査
  • 事業者変更時の書替え・検査証の再交付

10問中3問前後。検査証と検査の種類は4回すべてで出ている。令和8年4月に製造許可や使用検査の仕組みが改正されたので、改正後の条文で覚える。

★★★
設置場所と日常の管理
  • ボイラー室と据付位置の距離(1.2m・0.45m)
  • 可燃物・燃料との距離(0.15m・2m)
  • 附属品の管理(安全弁の調整、常用水位の表示)
  • ボイラー室の管理と掲示
  • 点火・吹出しのルール
  • 定期自主検査(1月以内ごとに1回)

ボイラー室と距離の問題は集計した4回すべてで出ている。数字を入れ替えた誤りが作りやすい分野で、数字を覚えれば取れる。

★★★
構造規格(附属設備・附属品)
  • 安全弁の個数と取付け
  • 温水ボイラーの逃がし弁・安全弁(120℃の境目)
  • 圧力計の最大指示値(1.5倍以上3倍以下)
  • ガラス水面計の個数と位置
  • 給水装置・給水弁と逆止め弁
  • 低水位燃料遮断装置
  • 鋳鉄製ボイラーの制限と附属品
  • 水道など圧力のある水源からの給水と返り管

4回とも2問以上出ている。水道など圧力のある水源から給水する場合の規定は4回すべてで出ている。

★★★
区分と資格
  • ボイラー・小型ボイラー・小規模ボイラーの区分
  • 伝熱面積の算定(算入する部分・しない部分、電気ボイラーの換算)
  • 就業制限
  • 作業主任者の選任区分(貫流1/10・廃熱1/2)と職務

伝熱面積の算定は4回中3回、作業主任者の選任区分と職務は4回中2回。電気ボイラーの換算が令和5年12月に変わったので、古い教材の値に注意する。

★★☆

一級ボイラー技士では何が出る?

伝熱面積の合計が25㎡以上500㎡未満のボイラー(貫流ボイラーのみなら500㎡以上も含む)で、ボイラー取扱作業主任者に選任される免許。受験には二級ボイラー技士免許などが必要で、免許の交付には二級免許を受けた後2年以上のボイラー取扱いの経験、または1年以上の作業主任者の経験が要る。

4科目・全40問の五肢択一で、試験時間は4時間(休憩なし)。合格基準は二級と同じ。範囲に材料・据付け・損傷の防止・燃焼理論が加わり、公表試験問題には発熱量、実際空気量、吹出し量を求める計算問題が出ている。

二級の範囲に加わる内容(告示の範囲)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
構造: 材料・据付け・各部の強さ
  • 材料
  • 据付け
  • ボイラー各部の強さ
  • 応力-ひずみ線図
  • 比例式蒸気圧力調節器の比例帯

二級に無い範囲で、新しく覚える量が多い。令和8年4月掲載の公表試験問題に、応力-ひずみ線図や比例帯の目盛を読む問題が出ている。

★★★
取扱い: 損傷及びその防止方法
  • 内面腐食
  • ボイラー水の塩化物イオン濃度と吹出し量の計算

告示で加わる範囲。公表試験問題に、塩化物イオン濃度から吹出し量を求める計算が出ている。

★★★
燃料及び燃焼: 燃焼理論と燃焼装置
  • 燃焼理論(理論空気量・実際空気量)
  • 低発熱量の計算
  • ばいじん
  • 燃焼室が備えるべき要件

告示で「燃焼理論」「燃焼装置」が加わる。公表試験問題に、低発熱量や実際空気量を求める計算が出ており、低発熱量の問題ではボイラー効率を条件に使う。

★★★

二級と共通の範囲

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
関係法令(構造規格の附属品)
  • 自動給水調整装置
  • 水面測定装置
  • 燃焼安全装置
  • 安全弁・圧力計
  • 検査と検査証

範囲の文言は二級と同じだが、公表試験問題では自動給水調整装置・水面測定装置・燃焼安全装置など構造規格の条項が二級より多く出ている。

★★★
構造・取扱いの共通部分
  • ボイラーの種類と主要部分
  • 附属品と附属設備
  • 自動制御
  • 運転の手順と異常時の対応
  • 水処理

二級で学んだ内容が土台になる。二級の知識が残っていれば、上積みの時間を計算と新しい範囲に回せる。

★★☆
燃料の種類・通風
  • 燃料の分析と性質
  • 重油の障害
  • 通風とファン
  • 大気汚染物質の抑制

範囲は二級と共通。燃焼理論の計算と組み合わせて問われることがある。

★★☆

特級ボイラー技士では何が出る?

伝熱面積の合計が500㎡以上のボイラー(貫流ボイラーのみを取り扱う場合を除く)で、ボイラー取扱作業主任者に選任される免許。ボイラー技士の最上位で、受験には一級ボイラー技士免許などが必要。免許の交付には一級免許を受けた後5年以上の取扱い経験、または3年以上の作業主任者の経験が要る。

4科目・各6問(各科目100点)で、各科目1時間・計4時間。記述式を含む。合格基準は各科目40%以上かつ合計60%以上。一部の科目で合格点を取ると、その科目は2年以内なら免除される。実施は年1回。

一級の範囲に加わる内容(告示の範囲)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
構造: 強度・工作
  • 主要部分の構造及び強度
  • 工作

告示で新しく加わる範囲。特級の公表試験問題は当サイトでは集計していないため、範囲の差だけから優先度を付けた。

★★★
燃料及び燃焼: 熱管理
  • 熱管理

告示で新しく加わる範囲。出題の集計はしていない。

★★★
関係法令: ボイラー構造規格の全体
  • ボイラー構造規格(全体)
  • 労働安全衛生法・同施行令・安衛則の関係条項
  • ボイラー及び圧力容器安全規則

一級・二級は構造規格のうち附属設備・附属品の条項だけが範囲だが、特級は構造規格の全体が範囲になる。出題の集計はしていない。

★★☆

よくある質問

二級ボイラー技士の試験科目は?

ボイラーの構造に関する知識、ボイラーの取扱いに関する知識、燃料及び燃焼に関する知識、関係法令の4科目です。問題数は全40問、形式は五肢択一、試験時間は3時間です。

合格基準は?

各科目40%以上かつ合計60%以上が合格の条件です。

どの科目から勉強すればいい?

下の表の★は、出題範囲と出題のされ方から当サイトが独自に付けた優先度です。★3の科目から手をつけると、直前に重い科目が残りません。公式の区分ではありません。

出典:ボイラー技士、ボイラー溶接士及びボイラー整備士免許規程(厚生労働省 法令等データベース)二級ボイラー技士の紹介|安全衛生技術試験協会一級ボイラー技士の紹介|安全衛生技術試験協会特級ボイラー技士の紹介|安全衛生技術試験協会公表試験問題|安全衛生技術試験協会