二級ボイラー技士/関係法令

ボイラーの検査と手続き

製造許可から落成検査、検査証、性能検査、変更・休止・廃止まで、どの手続きを誰に出すかを、令和8年4月1日施行の改正後の条文で整理します。

ボイラーは使い始めるまでにどんな手続きを通る?

移動式でないボイラーは、製造許可、溶接検査、構造検査、設置届、落成検査の順に進み、落成検査に合格してボイラー検査証を受けてから使えます。検査証を受けていないボイラーは使用できず、譲渡や貸与も検査証とともにしなければなりません(安衛法第40条)。

製造しようとする者は、事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長の製造許可を受けます(ボイラー則第3条)。すでに許可を受けたボイラーと型式が同じもの(許可型式ボイラー)は、改めて許可を受ける必要はありません。

溶接によるボイラーは、溶接作業に着手する前に溶接検査を申請し、溶接検査に合格した後でなければ構造検査を受けられません(第5条第2項・第7条)。溶接検査が要らないのは、附属設備(過熱器と節炭器)や圧縮応力以外の応力を生じない部分だけが溶接のもの、気水分離器のない貫流ボイラーです。

都道府県労働局長登録設計審査等機関所轄労働基準監督署長登録性能検査機関製造製造許可設計審査の結果を添付溶接検査溶接によるボイラー構造検査設置設置届工事開始の30日前まで落成検査構造検査又は使用検査の後ボイラー検査証の交付これで使用できる使用中性能検査検査証の有効期間は1年変更変更届工事開始の30日前まで変更検査検査証に裏書新しい検査証ではない休止休止報告有効期間を過ぎるとき使用再開検査再び使うとき検査証に裏書廃止使用廃止検査証の返還遅滞なく再設置再び設置・使用廃止したボイラー使用検査使用再開検査ではない設置届・落成検査へ検査の結果により1年未満、又は1年を超え2年以内の期間で有効期間を更新
手続きの流れと、受ける相手(色)。検査の実施者は令和8年4月1日施行の改正後の条文による

令和8年4月の改正で検査の実施者はどう変わった?

令和8年4月1日施行の改正で、構造検査・溶接検査・使用検査を行うのは登録設計審査等機関になりました。改正前の条文では、これらは登録製造時等検査機関が行うと書かれていました。都道府県労働局長が自らこの業務を行う場合の読替え規定もあります(第5条の2など)。

同じ改正で、製造許可の申請には、登録設計審査等機関が行った設計審査の結果を記載した書類を添えることになりました(安衛法第37条第3項、ボイラー則第3条第2項)。落成検査・変更検査・使用再開検査は所轄労働基準監督署長、性能検査は登録性能検査機関という分担は、改正前と同じです。

安全衛生技術試験協会の公表試験問題のページには、令和8年1月1日以降に施行された法令に対応していないという注記があります。古い問題集で構造検査の実施者が別の名前になっていても、今の条文とは違う点に気をつけてください。

設置届と落成検査はどこに出す?

事業者は、ボイラー(移動式ボイラーを除く)を設置しようとするとき、工事開始の日の30日前までにボイラー設置届を所轄労働基準監督署長に出します(安衛法第88条第1項、ボイラー則第10条)。同項の認定を受けた事業者は届出が不要です。

設置届には、ボイラー明細書のほか、ボイラー室とその周囲の状況、ボイラーと配管の配置状況、据付基礎・燃焼室・煙道の構造、燃焼が正常に行われていることを監視するための措置を書いた書面を添えます。移動式ボイラーは、あらかじめボイラー設置報告書にボイラー明細書と検査証を添えて出します(第11条)。

設置が終わると、所轄労働基準監督署長の落成検査を受けます(第14条)。対象はボイラー本体に加えて、ボイラー室、ボイラーと配管の配置状況、据付基礎・燃焼室・煙道の構造です。落成検査は構造検査又は使用検査に合格した後でなければ受けられず、合格すると同署長からボイラー検査証が交付されます(第15条第1項)。

検査証の有効期間と性能検査はどうなっている?

ボイラー検査証の有効期間は1年です(第37条第1項)。更新を受けようとする者は、登録性能検査機関の性能検査を受けます(第38条第1項)。登録性能検査機関は、検査の結果により1年未満、又は1年を超え2年以内の期間を定めて有効期間を更新できます(同条第2項)。

性能検査を受ける者は、ボイラー(燃焼室を含む)と煙道を冷却し、掃除し、その他の準備をします(第40条第1項)。所轄労働基準監督署長が認めたボイラーは、冷却と掃除をしないことができます。

検査証を滅失・損傷したときは、再交付申請書を所轄労働基準監督署長に出します(第15条第2項)。滅失ならその旨を明らかにする書面を、損傷なら損傷した検査証を添えます。設置されたボイラーの事業者が変わったときは、変更後の事業者が変更後10日以内に検査証の書替えを受けます(第44条)。

ボイラーを変更するときは何が必要?

次の部分や設備を変更しようとするときは、工事開始の日の30日前までに、ボイラー変更届に検査証と変更内容を示す書面を添えて所轄労働基準監督署長に出します(安衛法第88条第1項、ボイラー則第41条)。対象は、胴、ドーム、炉筒、火室、鏡板、天井板、管板、管寄せ又はステー、附属設備、燃焼装置、据付基礎です。

ここでいう附属設備は、ボイラー則のボイラーの章では過熱器と節炭器に限られます(第7条第1項)。煙管、水管、安全弁、給水装置、空気予熱器は対象外で、どれが変更届の対象かを問う選択肢の材料になります。

変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長の変更検査を受けます(第42条)。署長が必要ないと認めたものは除かれます。合格すると、新しい検査証ではなく、今の検査証に検査期日・変更部分・検査結果が裏書されます(第43条)。

休止・再開・廃止のときは何をする?

休止しようとする期間が検査証の有効期間を過ぎるときは、有効期間中にその旨を所轄労働基準監督署長に報告します(第45条。認定を受けた事業者を除く)。有効期間内に収まる休止なら報告は要りません。

休止したボイラーを再び使うときは、所轄労働基準監督署長の使用再開検査を受け、合格すると検査証に裏書されます(第46条・第47条)。使用を廃止したときは、遅滞なく検査証を同署長に返還します(第48条)。

廃止したボイラーをもう一度設置したり使ったりするときは、使用再開検査ではなく使用検査です(第12条第1項第3号)。使用検査は、ボイラーを輸入したときや、構造検査などの後1年以上(保管状況が良好と認められたものは2年以上)設置されなかったボイラーを設置するときにも必要です。

所轄都道府県労働局長製造許可
登録設計審査等機関設計審査、溶接検査、構造検査、使用検査
所轄労働基準監督署長設置届・変更届・休止報告の受理、落成検査、変更検査、使用再開検査、検査証の交付・再交付・書替え・返還
登録性能検査機関性能検査と検査証の有効期間の更新

職場ではどう使う?

検査証の有効期限が近づくと、登録性能検査機関と性能検査の日を決め、前日までにボイラーを止めて冷やし、炉筒や煙管のすすを落として待ちます。止めている間は給湯や暖房が使えないので、予備機への切替えや利用者への案内も段取りに入ります。

バーナを重油だきからガスだきに替える工事は燃焼装置の変更に当たるので、工事開始の30日前までに変更届を出し、工事の後に変更検査を受けます。裏書を受けた検査証は、元どおりボイラー室の見やすい箇所に掲示します。

試験ではどう問われる?

検査の名前と、実施者・提出先の組合せを入れ替えた選択肢が中心です。落成検査を登録機関が行うように書く、変更検査を登録性能検査機関にする、といった形です。構造検査などの実施者は令和8年4月から登録設計審査等機関なので、古い名前が出てきたら条文と照らしてください。

数字では、有効期間1年、性能検査による更新の1年未満・2年以内、設置届と変更届の30日前、事業者変更の10日以内が入れ替えの対象です。「変更検査に合格すると新しい検査証が交付される」「休止したボイラーは使用検査」のように、裏書と交付、使用再開検査と使用検査を取り違えさせる記述にも注意してください。

よくある質問

ボイラー検査証の有効期間は何年ですか?

原則1年です。登録性能検査機関の性能検査に合格すると更新され、検査の結果によっては1年未満、又は1年を超え2年以内の期間で更新されます。

ボイラーの構造検査は誰が行いますか?

令和8年4月1日施行のボイラー則では、登録設計審査等機関が行います。改正前の条文では登録製造時等検査機関と書かれていました。

変更検査に合格すると検査証はどうなりますか?

新しい検査証は交付されず、今の検査証に検査期日・変更部分・検査結果が裏書されます。使用再開検査に合格したときも裏書です。

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式情報で確認してください。