二級ボイラー技士/関係法令

ボイラーの区分と資格・作業主任者

小型ボイラー・小規模ボイラーの区分、伝熱面積の数え方、ボイラー技士でなければ扱えないボイラー、作業主任者の選任区分と職務を、条文に沿って整理します。

法令上の「ボイラー」はどう区分される?

安衛令は、蒸気ボイラーと温水ボイラーを大きさと圧力で三段階に分けています。ごく小さいものは法令上のボイラーから外れ、その上が小型ボイラー、残りが「ボイラー」です。検査証・免許・作業主任者の規定がかかるのは「ボイラー」で、小型ボイラーには設置報告や特別の教育などの規定がかかります。

小型ボイラーの範囲は安衛令第1条第4号に並んでいます。ゲージ圧力0.1MPa以下の蒸気ボイラーで伝熱面積1㎡以下のもの、又は胴の内径300mm以下かつ長さ600mm以下のもの。伝熱面積3.5㎡以下の蒸気ボイラーで、大気に開放した内径25mm以上の蒸気管を付けたもの、又は0.05MPa以下で内径25mm以上のU形立管を蒸気部に付けたもの。0.1MPa以下の温水ボイラーで伝熱面積8㎡以下、0.2MPa以下の温水ボイラーで2㎡以下のもの。1MPa以下の貫流ボイラーで10㎡以下のもの(管寄せの内径が150mmを超える多管式を除き、気水分離器は内径300mm以下かつ内容積0.07㎥以下)です。

「ボイラー」の中で比較的小さいものが、安衛令第20条第5号イ〜ニのボイラーで、一般に小規模ボイラーと呼ばれます。胴の内径750mm以下かつ長さ1,300mm以下の蒸気ボイラー、伝熱面積3㎡以下の蒸気ボイラー、14㎡以下の温水ボイラー、30㎡以下の貫流ボイラー(気水分離器は内径400mm以下かつ内容積0.4㎥以下)の4つです。

小型ボイラー安衛令第1条第4号小規模ボイラー安衛令第20条第5号イ〜ニ蒸気ボイラー0.1MPa以下で伝熱面積1㎡以下又は 0.1MPa以下で胴の内径300mm以下かつ長さ600mm以下胴の内径750mm以下かつ長さ1,300mm以下又は 伝熱面積3㎡以下蒸気管・U形立管付き蒸気ボイラー伝熱面積3.5㎡以下で、大気に開放した内径25mm以上の蒸気管を付けたもの又は 0.05MPa以下で、内径25mm以上のU形立管を蒸気部に付けたもの温水ボイラー0.1MPa以下で伝熱面積8㎡以下0.2MPa以下で伝熱面積2㎡以下伝熱面積14㎡以下貫流ボイラー1MPa以下で伝熱面積10㎡以下(管寄せの内径が150mmを超える多管式を除く)気水分離器は内径300mm以下かつ内容積0.07㎥以下伝熱面積30㎡以下気水分離器は内径400mm以下かつ内容積0.4㎥以下扱える人特別の教育を受けた者ボイラー技士又はボイラー取扱技能講習の修了者小型・小規模に当たらないボイラー = ボイラー技士(特級・一級・二級)でなければ扱えない圧力はゲージ圧力。小規模ボイラーは「ボイラー」の中の比較的小さいもので、小型ボイラーには当たらない
安衛令の小型ボイラーと小規模ボイラーの範囲、扱える人(数値は本文と同じ)

伝熱面積はどこを測る?

伝熱面積は、燃焼ガスなどに触れる面で測ります(ボイラー則第2条)。水管ボイラーと電気ボイラー以外では、燃焼ガス等に触れる本体の面のうち、裏側が水や熱媒に触れる部分の面積です。煙管なら内側、水管なら外側がガスに触れる面になります。

貫流ボイラー以外の水管ボイラーは、水管と管寄せの燃焼ガス等に触れる面を合計します。耐火れんがで覆われた水管は、管の外側の壁面に対する投影面積で数えます。貫流ボイラーは、燃焼室入口から過熱器入口までの水管の、燃焼ガス等に触れる面の面積です。

電気ボイラーには燃焼ガスがないので、電力設備容量60kWを1㎡とみなして換算します。令和5年12月18日施行の改正までは20kWで1㎡でした。古い参考書には20kWのまま載っているものがあるので注意してください。

例題:電気ボイラーの伝熱面積を求める

最大電力設備容量が720kWの電気ボイラー(数値はオリジナル)。

  1. ① 換算の基準 60kW = 1㎡ ボイラー則第2条第4号
  2. ② 割り算 720 ÷ 60 = 12

答え:12㎡

よくある間違い:改正前の20kWで割ると36㎡になります。今の基準は60kWです。

ボイラーを取り扱えるのは誰?

ボイラー(小型ボイラーを除く)の取扱いの業務は就業制限の対象です(安衛法第61条、安衛令第20条第3号、ボイラー則第23条)。事業者は、特級・一級・二級のボイラー技士でなければ、この業務に就かせてはなりません。

例外は小規模ボイラーで、ボイラー取扱技能講習を修了した者も取り扱えます(ボイラー則第23条第2項)。小型ボイラーは就業制限の対象外で、事業者が安全のための特別の教育を行えば、その労働者に取り扱わせることができます(第92条)。

ボイラー技士の免許は、満18歳に満たない者には与えられません(第98条)。

作業主任者は伝熱面積でどう選ぶ?

ボイラー(小型ボイラーを除く)の取扱いの作業には、ボイラー取扱作業主任者の選任が必要です(安衛令第6条第4号)。選任できる資格は、取り扱うボイラーの伝熱面積の合計で決まります(ボイラー則第24条)。

合計500㎡以上は特級ボイラー技士です。ただし貫流ボイラーのみを取り扱う場合は除かれます。25㎡以上500㎡未満は特級か一級で、貫流ボイラーのみで500㎡以上の場合もここに入ります。25㎡未満なら特級・一級・二級のいずれでもよく、小規模ボイラーのみを取り扱う場合はボイラー取扱技能講習の修了者も選べます。

合計の数え方には決まりがあります。貫流ボイラーは伝熱面積に10分の1を掛け、火気以外の高温ガスを加熱に使うボイラー(廃熱ボイラー)は2分の1を掛けます。小規模ボイラーは合計に入れません。異常時に安全に停止させる機能などを持ち、厚生労働大臣が定める自動制御装置を備えたボイラーは、最大の伝熱面積のもの以外を算入しないことができます。この装置は平成16年厚生労働省告示第131号が定めていて、第25条第2項の認定を受けた自動制御装置か、燃焼安全装置や火炎検出装置などについて告示の要件をすべて満たす装置です。

伝熱面積の合計の数え方貫流ボイラー×1/10廃熱ボイラー火気以外の高温ガスで加熱×1/2小規模ボイラー合計に算入しない例題:貫流160㎡×1/10=16㎡、炉筒煙管12㎡、廃熱20㎡×1/2=10㎡16121025㎡未満特級・一級・二級25㎡以上500㎡未満特級・一級500㎡以上特級目盛りの途中を省略025㎡50500㎡合計38㎡ → 特級か一級(二級は選べない)貫流ボイラーのみなら500㎡以上でも特級・一級小規模ボイラーのみを取り扱う場合は、ボイラー取扱技能講習の修了者も選べる厚生労働大臣が定める自動制御装置を備えたボイラーは、最大の伝熱面積のもの以外を算入しないことができる
作業主任者の資格は、換算した伝熱面積の合計で決まる(例題の数値はオリジナル)

例題:二級ボイラー技士を作業主任者に選べるか

同じ作業場で、伝熱面積160㎡の貫流ボイラー1基、12㎡の炉筒煙管ボイラー1基、20㎡の廃熱ボイラー1基を取り扱う。どれも小規模ボイラーではなく、自動制御装置による算入除外もない(数値はオリジナル)。

  1. ① 貫流ボイラー 160 × 1/10 = 16㎡
  2. ② 炉筒煙管ボイラー 12㎡(そのまま)
  3. ③ 廃熱ボイラー 20 × 1/2 = 10㎡
  4. ④ 合計 16 + 12 + 10 = 38㎡

答え:38㎡で25㎡以上500㎡未満。作業主任者は特級か一級ボイラー技士から選ぶ(二級は選べない)

よくある間違い:換算を忘れると192㎡、貫流と廃熱の係数を取り違えると94㎡(160×1/2+12+20×1/10)になります。この例では結論は変わりませんが、25㎡の境目の近くでは係数の取り違えで答えが変わります。

作業主任者は何をする?

職務はボイラー則第25条第1項に10項目あります。圧力・水位・燃焼状態の監視、急激な負荷変動を与えないこと、最高使用圧力を超えて圧力を上げないこと、安全弁の機能の保持、1日1回以上の水面測定装置の機能点検、適宜の吹出しによるボイラー水の濃縮防止、給水装置の機能の保持、低水位燃焼しゃ断装置・火炎検出装置などの自動制御装置の点検と調整、異状を認めたときの措置、ばい煙の測定濃度と異常の有無の記録です。

水面測定装置の点検は、厚生労働大臣の定める技術上の指針に適合すると所轄労働基準監督署長が認定した自動制御装置を備えたボイラーなら、3日に1回以上にできます(同条第2項)。

定期自主検査は事業者の義務(第32条)、性能検査は検査証の有効期間の更新を受けようとする者の義務(第38条)として別の条文に置かれていて、作業主任者の職務の一覧には入っていません。

小型ボイラーにはどんな決まりがある?

小型ボイラーは特定機械等に当たらないので検査証はなく、作業主任者の選任も要りません。それでもいくつかの義務はあります。設置したら遅滞なく小型ボイラー設置報告書を所轄労働基準監督署長に出します(ボイラー則第91条。認定を受けた事業者を除く)。取扱いの業務に就かせる労働者には特別の教育を行います(第92条)。

安全弁は0.1MPa以下(小型の貫流ボイラーは使用する最高圧力以下)で作動するよう調整します(第93条)。定期自主検査は使用開始後1年以内ごとに1回で、ボイラー本体・燃焼装置・自動制御装置・附属品の損傷や異常の有無を調べ、記録を3年間保存します(第94条)。ボイラーの「1月以内ごとに1回」と混同しないでください。

職場ではどう使う?

機械室の貫流ボイラーの銘板に、最高使用圧力0.98MPa、伝熱面積9.9㎡と書いてあれば、管寄せと気水分離器の条件を満たす限り小型ボイラーです。この場合、ボイラー技士の免許がなくても、特別の教育を受けた人が運転できます。

同じ建物に伝熱面積の大きいボイラーを増設すると、作業主任者の選任が必要になったり、必要な資格が上がったりします。増設の計画では、既設分を含めた伝熱面積の合計を、貫流1/10・廃熱1/2の換算をしたうえで計算し、今いる二級ボイラー技士で足りるかを確かめます。作業主任者の資格と氏名はボイラー室に掲示する決まり(第29条)なので、選任を変えたら掲示も差し替えます。

試験ではどう問われる?

伝熱面積の合計から、どの資格の作業主任者を選べるかを問う計算型が典型です。貫流1/10と廃熱1/2の係数の入れ替え、小規模ボイラーを合計に入れるかどうか、25㎡の境目を「以下」と「未満」で入れ替える形が出ます。

区分では、小規模ボイラーの数字(750mm・1,300mm・3㎡・14㎡・30㎡)と小型ボイラーの数字(1㎡・300mm・600mm・8㎡・2㎡・10㎡)の混同が狙われます。職務では「1日1回以上」の頻度を別の期間に変えた選択肢や、職務でない事項を混ぜた選択肢に注意してください。電気ボイラーの換算は、改正前の20kWが誤りの選択肢として使われやすい数字です。

よくある質問

二級ボイラー技士が作業主任者になれるのは伝熱面積何㎡までですか?

取り扱うボイラーの伝熱面積の合計が25㎡未満の場合です。貫流ボイラーは10分の1、廃熱ボイラーは2分の1に換算し、小規模ボイラーは合計に入れません。

小型ボイラーと小規模ボイラーはどう違いますか?

小型ボイラーは就業制限も作業主任者もかからない小さなボイラーで、特別の教育を受けた人が扱えます。小規模ボイラーは「ボイラー」の中の比較的小さいもので、ボイラー取扱技能講習の修了者でも扱えます。

電気ボイラーの伝熱面積はどう計算しますか?

電力設備容量60kWを1㎡とみなし、最大電力設備容量を換算します。令和5年12月18日施行の改正より前は20kWでした。

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式情報で確認してください。