二級ボイラー技士/関係法令

ボイラー構造規格の附属設備・附属品

二級の法令範囲に入る構造規格の附属品の条項を、安全弁、温水ボイラーの逃がし弁、圧力計、水面計、給水装置、自動制御装置、鋳鉄製ボイラーの順に、令和8年4月適用の改正を反映して解説します。

二級で問われる構造規格の範囲はどこ?

二級の関係法令の範囲には、ボイラー構造規格(平成15年厚生労働省告示第197号)のうち「附属設備及び附属品に関する条項」が入っています(ボイラー技士、ボイラー溶接士及びボイラー整備士免許規程第6条)。鋼製ボイラーでは第4章の附属品(第62条〜第85条)が中心で、鋳鉄製ボイラーの編(第88条〜第101条)もよく問われます。

構造規格は令和7年厚生労働省告示第291号で一部が改正され、令和8年4月1日から適用されています。附属品では、電子式の圧力計に対応した圧力計の規定の整備(第66条)が主な変更です。第78条にも同告示による改正の注記があり、今の条文は吹出し弁と吹出しコックの数や吹出し管の設置方法を日本産業規格B 8201によるとしています。同告示の附則には経過措置があり、適用日に現に製造中か既に存在するボイラーには、第69条と第78条などの改正規定を適用せず、従前の例によります。

安全弁と逃がし弁はどう備える?

蒸気ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持できる安全弁を2個以上備えます。伝熱面積50㎡以下の蒸気ボイラーは1個でかまいません(第62条第1項)。安全弁はボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付け、弁軸を鉛直にします。引火性蒸気を発生するボイラーは、密閉式の安全弁にするか、排気をボイラー室外の安全な場所へ導きます。

過熱器には、出口付近に、過熱器の温度を設計温度以下に保持できる安全弁を備えます(第63条)。貫流ボイラーは、最大蒸発量以上の吹出し量の安全弁を過熱器の出口付近に取り付けることもできます。

温水ボイラーは、水の温度120℃が境目です(第65条)。120℃以下なら、最高使用圧力に達するとすぐ作用する逃がし弁を備えます。容易に検査できる位置に逃がし管を備えたものは逃がし弁が要りません。120℃を超えるものには安全弁が必要です。

圧力計・水高計・温度計の決まりは?

蒸気ボイラーの蒸気部、水柱管、又は水柱管に至る蒸気側連絡管には、指示値を確実に確認できる圧力計を取り付けます(第66条第1項)。最大指示値は最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下です。蒸気が直接入らないこと、コックや弁の開閉状況が容易に分かること、連絡管が閉そくしにくいことも条件です。

令和8年4月からは、圧力計が停電の場合でも有効に機能するものであることが加わりました(同条第2項)。厚生労働省の通達(基発1107第5号)は、内蔵バッテリーで停電時も一定時間動くものがこれに含まれると説明しています。

温水ボイラーには、ボイラー本体か温水の出口付近に水高計を取り付けます。水高計の代わりに圧力計でもかまいません(第67条)。温度計は、蒸気ボイラーでは過熱器の出口付近の蒸気温度、温水ボイラーではボイラーの出口付近の温水温度を表示するものを付けます(第68条)。

例題:圧力計の最大指示値の範囲を求める

最高使用圧力が1.2MPaの鋼製蒸気ボイラーに付ける圧力計(数値はオリジナル)。

  1. ① 下限 1.2 × 1.5 = 1.8MPa
  2. ② 上限 1.2 × 3 = 3.6MPa

答え:最大指示値が1.8MPa以上3.6MPa以下の圧力計

よくある間違い:最高使用圧力と同じ1.2MPaが最大の圧力計は、1.5倍に届かないので不適合です。2倍の2.4MPaは範囲に入ります。

水面計はいくつ、どこに付ける?

蒸気ボイラー(貫流ボイラーを除く)には、ボイラー本体か水柱管にガラス水面計を2個以上取り付けます。多管式貫流ボイラーは1個以上です(第69条第1項)。胴の内径750mm以下の蒸気ボイラーと、遠隔指示水面測定装置を2個付けた蒸気ボイラーは、そのうち1個をガラス水面計でない水面測定装置にできます。

ガラス水面計は、ガラス管の最下部が安全低水面を指示する位置に取り付けます(同条第2項)。安全低水面は、ボイラーの使用中に維持しなければならない最低の水面のことです。

最高使用圧力1.6MPaを超えるボイラーの水柱管は、鋳鉄製にできません(第70条)。水側連絡管は途中に中高・中低のない構造とし、取付け口は水面計で見える最低水位より上であってはなりません。蒸気側連絡管はドレンのたまる部分がない構造とし、取付け口は最高水位より下であってはなりません(第71条)。

常用水位安全低水面(ガラス管の最下部の高さ)胴(蒸気部)安全弁(2個以上)伝熱面積50㎡以下は1個本体に直接取付け・弁軸は鉛直圧力計(蒸気部)最大指示値は最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下蒸気が直接入らないこと常用水位を表示蒸気側連絡管取付け口は最高水位より下にしない水側連絡管取付け口は最低水位より上にしない水柱管とガラス水面計(2個)給水弁逆止め弁給水吹出し弁吹出し管給水管には、ボイラーに近接した位置に給水弁と逆止め弁を取り付ける(構造規格第75条)
鋼製蒸気ボイラーの主な附属品と取付け位置(構造規格。数値は本文と同じ)

給水装置と自動制御装置は何が決まっている?

蒸気ボイラーには、最大蒸発量以上を給水できる給水装置を備えます(第73条第1項)。給水管には、ボイラーに近接した位置に給水弁と逆止め弁を取り付けます。貫流ボイラーと最高使用圧力0.1MPa未満の蒸気ボイラーは、給水弁だけでかまいません(第75条)。給水内管は取り外しができる構造にします(第76条)。

自動給水調整装置は蒸気ボイラーごとに設け、それを持つ蒸気ボイラー(貫流ボイラーを除く)には、ボイラーごとに低水位燃料遮断装置を設けます(第84条)。貫流ボイラーには、ボイラー水が不足したときに燃料を自動で遮断する装置か、これに代わる安全装置を設けます。

燃焼安全装置は、異常消火や燃焼用空気の異常な供給停止を検出して、直ちに燃料を遮断する装置です(第85条)。動力源が断たれたら直ちに燃料を遮断し、動力源が復帰しても自動的には遮断を解除しないものでなければなりません。爆発戸がボイラー技士の作業場所から2m以内にあるときは、爆発ガスを安全な方向へ分散させる装置を設けます(第81条)。

鋳鉄製ボイラーだけの決まりは?

鋳鉄製にできないのは、圧力0.1MPaを超えて使用する蒸気ボイラー、圧力0.5MPaを超える温水ボイラー、温水温度120℃を超える温水ボイラーです(第88条)。温水ボイラーの0.5MPaは、日本産業規格B 8203などによる破壊試験の結果で最高使用圧力を算定する場合、1MPaまで認められます。

暖房用温水ボイラーには逃がし弁を備えますが、開放型膨張タンクに通ずる逃がし管を備えたものは不要です。給湯用温水ボイラーは、給水タンクの水面以上に立ち上げた逃がし管があれば逃がし弁が要りません(第95条)。圧力0.3MPaを超える温水ボイラーには、温水温度が120℃を超えないよう温水温度自動制御装置を設けます(第98条)。

給水が水道など圧力を持つ水源から来る場合は、その管を返り管に取り付けます(第100条)。蒸気ボイラーには、鋳鉄製でも吹出し弁か吹出しコックの付いた吹出し管を備えます(第99条)。

屋上開放型膨張タンク開放型膨張タンクに通ずる逃がし管を備えたものは、逃がし弁は不要逃がし管鋳鉄製ボイラー(セクション式)往き管水高計温度計放熱器返り管給水(水道など圧力のある水源)→ 返り管に取り付ける鋳鉄製にできない温水ボイラー:圧力0.5MPaを超えるもの(日本産業規格B 8203などによる 破壊試験の結果で最高使用圧力を算定する場合は1MPaまで)、温水温度120℃を超えるもの圧力0.3MPaを超える温水ボイラーには、温水温度が120℃を超えないよう温水温度自動制御装置を設ける
暖房用の鋳鉄製温水ボイラーの配管と附属品(構造規格第88条〜第100条。数値は本文と同じ)

職場ではどう使う?

暖房用の鋳鉄製温水ボイラーが並ぶ機械室では、屋上などの開放型膨張タンクまで逃がし管が立ち上がっていることがあります。逃がし管は圧力を逃がす道なので、配管の改修を頼まれたら、途中に弁を入れて閉めてしまうような変更になっていないかを構造規格第95条と照らします。

圧力計を交換するときは、最大指示値が最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下かを確かめます。最高使用圧力0.98MPaのボイラーなら、1.47MPa以上2.94MPa以下が範囲です。デジタル表示の圧力計に替える場合は、停電時にも機能するものかどうかも確認します。

試験ではどう問われる?

数字の入れ替えが中心です。安全弁の個数と50㎡、温水ボイラーの120℃、圧力計の1.5倍と3倍、水柱管の1.6MPa、胴の内径750mm、給水弁だけでよい0.1MPa未満、鋳鉄製の0.1MPa・0.5MPa・0.3MPa・120℃が入れ替えの対象になります。

位置の入れ替えもよく出ます。ガラス水面計の最下部を常用水位にする、蒸気側と水側の連絡管の取付け位置を逆にする、水道からの給水を返り管以外に付ける、といった形です。停電時に機能する圧力計の規定は令和8年4月に加わったもので、古い問題集には載っていないので、条文で確認してください。

よくある質問

蒸気ボイラーの安全弁は何個必要ですか?

2個以上です。伝熱面積50㎡以下の蒸気ボイラーは1個でかまいません。

温水ボイラーに付けるのは逃がし弁ですか、安全弁ですか?

水の温度が120℃以下なら逃がし弁で、容易に検査できる位置の逃がし管で代えることもできます。120℃を超えるなら安全弁です。

圧力計の目盛の範囲はどう決まりますか?

最大指示値が最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下のものを使います。最高使用圧力1MPaなら1.5MPa以上3MPa以下です。

読んだあとにやること

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式情報で確認してください。