二級ボイラー技士/ボイラーの構造に関する知識

ボイラーの自動制御

オンオフ・比例・積分・微分の制御動作、蒸気圧力・温度・水位の制御、燃焼安全装置と火炎検出器、シーケンス制御の部品を、ボイラーでの使われ方と合わせて説明します。

フィードバック制御とシーケンス制御は何が違う?

フィードバック制御は、蒸気圧力や水位などの制御量を測って目標値と比べ、差があれば燃料や給水の量を直す制御です。シーケンス制御は、あらかじめ決めた順序と条件に従って、プレパージ、点火、燃焼、停止といった段階を順に進める制御です。

ボイラーでは両方が組み合わさっています。起動から停止までの手順はシーケンス制御が受け持ち、燃焼中の圧力と水位はフィードバック制御で一定に保たれます。

制御動作にはどんな種類がある?

最も単純なのはオンオフ動作で、制御量が設定値を外れると操作端を全開か全閉にします。オンになる値とオフになる値の差を動作すき間(ディファレンシャル)といいます。動作すき間を小さくすると制御量の振れは小さくなりますが、バーナの発停が頻繁になり、機器の傷みや点火のたびの損失が増えます。

燃焼を高燃焼・低燃焼・停止の3段階で切り替えるのがハイ・ロー・オフ動作です。比例動作(P動作)は偏差の大きさに比例して操作量を連続的に変えますが、負荷が変わると偏差が残ったまま釣り合うオフセットが生じます。これを消すのが偏差を時間で積み上げる積分動作(I動作)で、偏差の変化の速さに応じて先回りするのが微分動作(D動作)です。3つを組み合わせたものをPID動作と呼びます。

蒸気圧力オフ(停止)オン(燃焼)バーナ動作すき間(ディファレンシャル)燃焼停止時間動作すき間を狭くしたとき → 振れは小さいが、バーナの発停が多いオフ(停止)オン(燃焼)バーナ動作すき間を小さくすると制御量の振れは小さくなるが、発停が頻繁になり、機器の傷みや点火のたびの損失が増える
オンオフ動作では、オンの値とオフの値の差(動作すき間)で発停の回数が変わる(時間の目盛りは模式)

蒸気圧力と温度はどう制御する?

オンオフ式蒸気圧力調節器は、ベローズやダイヤフラムで蒸気圧力を受け、設定圧力でスイッチを開閉してバーナを断続させます。比例式蒸気圧力調節器は、圧力に応じてコントロールモータを動かし、燃料と空気の量を連続して変えます。圧力制限器は、圧力が異常に上がったときに燃料を遮断する装置です。いずれも高温の蒸気が直接入らないよう、水を入れたサイホン管を介して取り付けます。

温水ボイラーの温度調節器には、感温体内の液体の膨張をベローズで伝える溶液密封式などがあります。温度の検出には、金属の電気抵抗が温度で変わる測温抵抗体や、2種類の金属の接合部の温度差で起電力が生じる熱電対も使われます。感温体を保護管に入れるときは、すき間にシリコングリスなどを入れて遅れを減らします。

水位はどう検出して制御する?

水位制御の方式は、検出する要素の数で分けます。単要素式は水位だけ、二要素式は水位と蒸気流量、三要素式は水位・蒸気流量・給水流量を検出します。蒸気の使用量が急に増えると、圧力が下がって水中の気泡がふくらみ、水位が一時的に上がって見えることがあります。水位だけで給水を決めると、このとき給水を絞ってしまうため、大きなボイラーでは蒸気流量も見る方式が使われます。

水位検出器には、フロートの上下でスイッチを動かすフロート式と、水の導電性を利用して電極棒が水に触れているかを見る電極式があります。電極式は、検出筒内の水が蒸気の凝縮で純度が上がると電気を通しにくくなるので、検出筒の定期的な吹出しが欠かせません。

ボイラー構造規格第84条は、自動給水調整装置を蒸気ボイラーごとに設け、それを持つ蒸気ボイラー(貫流ボイラーを除く)に低水位燃料遮断装置を付けるよう定めています。この装置は、起動時に水位が安全低水面以下の場合と、運転中にそこまで下がった場合の両方で燃料を遮断します。

燃焼安全装置には何が求められる?

燃焼安全装置は、異常消火や燃焼用空気の異常な供給停止を検出し、直ちに燃料を遮断する装置です(構造規格第85条)。火炎検出器、主安全制御器、燃料遮断弁などで構成されます。

条文は4つの要件を定めています。作動用の電源が断たれたら直ちに燃料を遮断すること。電源が断たれたときや戻ったときに、自動で遮断が解除されないこと。自動点火のボイラーで点火できないときや火炎を検出できないときは燃料を遮断し、手動で操作するまで再起動できないこと。燃焼前に火炎の誤検出があれば燃焼を始めさせないこと。

どれも、故障したときに燃料が出続ける側ではなく、止まる側に倒れるように作る考え方です。

火炎検出器はどう使い分ける?

火炎検出器は、火炎の光や電気的な性質を使って火が燃えているかを判断します。どの検出器も、受光面の汚れや劣化で火炎を見失うと、燃焼中でも燃料が遮断されます。誤って火炎ありと判断するのは危険なので、点火前の誤検出で燃焼を始めない機能が条文で求められています。

フレームロッド火炎の導電作用を利用。ガス燃焼の点火用バーナなどに使う
整流式光電管光電効果を利用。油燃焼に使い、ガス燃焼には向かない
紫外線光電管火炎の紫外線を検出。感度が良く、炉壁の放射に影響されにくく、油にもガスにも使える
硫化カドミウムセル受ける光の量で電気抵抗が変わる性質を利用

職場ではどう使う?

小型貫流ボイラーを3台並べた機械室では、蒸気ヘッダの圧力を見て運転台数と各台の燃焼段階を切り替える台数制御がよく使われます。朝の立ち上げでプレパージが終わっても着火しないと、燃焼安全装置が燃料を遮断してロックアウトの表示が出ます。リセットの前に、火炎検出器の受光面の汚れや燃料の供給圧力を確かめるのが先です。

オンオフ制御のボイラーで発停が1時間に何回も起きるなら、圧力調節器の動作すき間が小さすぎる可能性があります。発停のたびにプレパージとポストパージで炉内が冷やされ、熱の損失も増えます。

試験ではどう問われる?

制御動作では、比例・積分・微分の説明の入れ替え、動作すき間を小さくしたときの影響の逆転がよく作られます。水位制御では、三要素式の検出要素を蒸気圧力や燃料流量など別の量にすり替える型が典型です。

火炎検出器では、整流式光電管とフレームロッドの用途(油かガスか)の入れ替えに注意します。燃焼安全装置では、電源の復帰で自動的に遮断が解除される、点火に失敗しても自動で再起動する、といった条文と逆の記述が誤りの選択肢になります。

よくある質問

オフセットとは?

比例動作だけで制御したとき、負荷が変わると制御量が目標値から少しずれたまま落ち着く、その残った偏差のことです。積分動作を組み合わせると取り除けます。

フレームロッドがガス用なのはなぜ?

フレームロッドは火炎の中に棒を差し込み、火炎の導電作用で火炎を検出します。棒には使用できる温度の制約があるため、燃焼時間の短い点火用のガスバーナに多く使われます。

燃焼安全装置が働いたら、すぐにリセットしてよい?

原因を確かめずにリセットと再点火を繰り返すと、炉内に未燃の燃料がたまって爆発の危険があります。火炎検出器の汚れ、燃料や空気の供給、水位などを確認してから復帰させます。

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式情報で確認してください。