二級ボイラー技士「ボイラーの種類と主要部分」の練習問題(14問)
二級ボイラー技士の「ボイラーの種類と主要部分」(ボイラーの構造に関する知識)から14問を収録しています。答えの下に解説があるので、間違えた理由をその場で確認できます。
過去の試験問題の転載や言い換えではなく、試験科目と法令・技術の内容から当サイトが独自に作成した問題です。
ボイラーの種類と主要部分では何が問われる?
丸ボイラー・水管ボイラー・貫流ボイラー・鋳鉄製ボイラーの特徴の比較と、ステー、鏡板、マンホールなど主要部分の構造が中心です。
ボイラーの種類と主要部分で間違えやすいのはどこ?
保有水量が多いのは丸ボイラーで、圧力変動は小さいが起動は遅い。貫流ボイラーは逆。ガセットステーは炉筒のそばに付けずブリージングスペースを残す。だ円形マンホールは短径を胴の軸方向に向ける。
ボイラーの種類と主要部分をくわしく知るには?
丸ボイラー、水管ボイラー、貫流ボイラー、鋳鉄製ボイラーの違いと、胴・鏡板・ステー・マンホールなど主要部分の構造を、比較の軸をそろえて整理しました。
-
丸ボイラーと比較した水管ボイラーの特徴として、誤っているものはどれか。
- 構造上、高圧のボイラーや大容量のボイラーに適している。
- 伝熱面積を大きくとれるので、一般に熱効率を高くできる。
- 燃焼室を自由な大きさに作ることができるので、燃焼状態を良くしやすい。
- 伝熱面積あたりの保有水量が多いので、負荷の変動による圧力の変動が小さい。正解
- 給水やボイラー水の処理に、より注意が必要である。
解説を見る
誤っているのは「伝熱面積あたりの保有水量が多いので、負荷の変動による圧力の変動が小さい」です。これは丸ボイラーの特徴です。水管ボイラーは伝熱面積に対して保有水量が少なく、起動は早い反面、負荷が変わると圧力や水位が動きやすくなります。水管は細くスケールの影響を受けやすいので、水処理も厳しくなります。
-
炉筒煙管ボイラーに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 胴の外側にれんが積みの燃焼室を設けた、外だき式のボイラーである。
- 胴の中に炉筒と多数の煙管を設けた内だき式のボイラーで、バーナや送風機、附属品を組み込んだパッケージ形として作られるものが多い。正解
- 伝熱面積あたりの保有水量が少ないので、起動から蒸気を発生するまでの時間が短い。
- 炉筒には、熱による伸縮を妨げるため、平形炉筒だけが用いられる。
- 水管ボイラーより、高圧・大容量の用途に適している。
解説を見る
正しいのは「胴の中に炉筒と多数の煙管を設けた内だき式のボイラーで…パッケージ形として作られるものが多い」です。炉筒の中で燃焼させ、燃焼ガスは煙管を通って煙突へ向かいます。丸ボイラーなので保有水量が多く、起動には時間がかかります。炉筒には伸縮を吸収しやすい波形炉筒が多く使われます。
-
炉筒煙管ボイラーの構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 波形炉筒は、平形炉筒に比べて外圧に対する強度が大きく、熱による伸縮を吸収しやすい。
- 炉筒の圧壊を防ぐため、平形炉筒の外周に補強リングを取り付けたものがある。
- 戻り燃焼方式では、燃焼ガスが炉筒の後部で反転して前方へ戻る。
- 煙管にスパイラル管を用いて燃焼ガスに乱れを起こさせると、伝熱の効果が高まる。
- 加圧燃焼方式は、燃焼室内の圧力を大気圧より低く保って燃焼させる方式である。正解
解説を見る
誤っているのは「加圧燃焼方式は、燃焼室内の圧力を大気圧より低く保って燃焼させる方式」です。加圧燃焼は送風機で空気を押し込み、炉内を大気圧より高くして燃焼させます。燃焼室の容積あたりの燃焼量を大きくできるのが利点です。波形炉筒は外圧に強く、熱による伸縮も吸収できます。平形炉筒は、外周の補強リングで圧壊を防ぎます。
-
丸ボイラーに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 炉筒煙管ボイラーは、水管ボイラーに比べて、蒸気の使用量が変わったときの圧力の変動が小さい。正解
- 炉筒を持つボイラーでは、水の循環を良くするため、炉筒を胴の中心に置かなければならない。
- 炉筒煙管ボイラーの煙管には、伝熱の効果が低い平滑管だけが用いられる。
- 丸ボイラーは、伝熱面積あたりの保有水量が少ないので、起動から蒸気が出るまでの時間が短い。
- 丸ボイラーは、主に超臨界圧の発電用ボイラーとして使われる。
解説を見る
正しいのは「炉筒煙管ボイラーは、水管ボイラーに比べて、蒸気の使用量が変わったときの圧力の変動が小さい」です。丸ボイラーは伝熱面積あたりの保有水量が多いので、負荷が変わっても圧力が動きにくい半面、たき始めから蒸気が出るまでに時間がかかります。炉筒ボイラーには水循環を良くするため炉筒を片方に少しずらしたものがあり、煙管には伝熱の良いスパイラル管が多く使われます。
-
水管ボイラーに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 水冷壁は、燃焼室の周囲の壁に水管を配置したもので、炉壁を保護するとともに火炎の放射熱を吸収する。
- 自然循環式水管ボイラーは、蒸気ドラムと水ドラムを多数の水管で結んだ構造のものが多い。
- 水管ボイラーは、胴の中に多数の煙管を設け、燃焼ガスを管の中に通す構造である。正解
- 高圧になるほど自然循環力が弱くなるため、高圧の水管ボイラーでは強制循環式が用いられることがある。
- 水管の内部にスケールが付着すると、管壁が過熱して膨出や破裂の原因になる。
解説を見る
誤っているのは「水管ボイラーは、胴の中に多数の煙管を設け、燃焼ガスを管の中に通す構造」です。これは煙管ボイラーの説明です。水管ボイラーは管の中を水が流れ、管の外側を燃焼ガスが通ります。水冷壁は炉壁を守りながら火炎の放射熱を吸収し、蒸発量を増やす役目も持ちます。
-
貫流ボイラーに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 大径の蒸気ドラムと水ドラムを持ち、保有水量が多い。
- 管の径が大きいので、高圧のボイラーには適さない。
- 負荷の変動があっても圧力が変動しにくいので、応答の速い自動制御は必要ない。
- 給水の水質の影響を受けにくいので、水処理はほとんど必要ない。
- 管系だけで構成され、給水ポンプで送り込んだ水が管の中で予熱・蒸発され、他端から蒸気として取り出される。正解
解説を見る
正しいのは「管系だけで構成され、給水ポンプで送り込んだ水が管の中で予熱・蒸発され、他端から蒸気として取り出される」です。ドラムを持たず管が細いので高圧に向き、起動時間も短くなります。保有水量がごく少なく、負荷変動で圧力が動きやすいため、応答の速い給水・燃焼制御と十分な水処理が必要です。
-
貫流ボイラーの特徴に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 保有水量が少ないため、起動から所定の蒸気を発生するまでの時間が短い。
- 伝熱面積あたりの保有水量が多いため、水位や圧力の制御は丸ボイラーより容易である。正解
- 小型の貫流ボイラーには、上下の管寄せの間に多数の管を並べた多管式のものが多い。
- 発生した蒸気と水を分けるため、気水分離器を設けたものがある。
- 給水の処理が不十分だと、管の内面にスケールが付いて管が過熱しやすい。
解説を見る
誤っているのは「伝熱面積あたりの保有水量が多いため、水位や圧力の制御は丸ボイラーより容易」という記述です。貫流ボイラーは保有水量が非常に少なく、負荷が変わると圧力がすぐ動くので、応答の速い自動制御が欠かせません。起動時間が短いのは保有水量が少ないことの利点です。小型のものは多管式で、気水分離器を備えるものがあります。
-
鋳鉄製ボイラーに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 前部、中間、後部のセクションを組み合わせた構造で、セクションの数で能力を増減できる。
- 分割して搬入できるので、狭い場所への設置に向いている。
- 温水ボイラーとして使う場合、温水温度が120℃を超えるものは鋳鉄製にできない。
- 熱による不同膨張に強いので、急激な加熱や冷却を行っても割れにくい。正解
- 主に暖房用の低圧の蒸気ボイラーや温水ボイラーとして使われる。
解説を見る
誤っているのは「熱による不同膨張に強いので、急激な加熱や冷却を行っても割れにくい」です。鋳鉄製ボイラーは鋼製に比べて、熱による不同膨張で割れが生じやすいボイラーです。そのため急なたき上げや、水位が下がったときの給水は避けます。セクションの組合せで能力を変えられ、分割搬入できるのが利点です。温水温度が120℃を超える温水ボイラーを鋳鉄製にできないことは、構造規格第88条の定めです。
-
暖房用鋳鉄製蒸気ボイラーの返り管の取付けに用いられるハートフォード式連結法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 低水位事故を防ぐことを主な目的とした、返り管の取付け方法である。正解
- ボイラー水の吹出しを自動で行うための配管方法である。
- 給水を蒸気部の上方から散布して、蒸気と水を混ぜるための配管方法である。
- 過熱器へ送る蒸気の温度を上げるための配管方法である。
- 暖房用鋳鉄製温水ボイラーの逃がし管を取り付けるための方法である。
解説を見る
正しいのは「低水位事故を防ぐことを主な目的とした、返り管の取付け方法」です。ハートフォード式連結法は暖房用鋳鉄製蒸気ボイラーの返り管の取付けに用いる方法で、主な目的は低水位事故の防止です。水道など圧力のある水源からの給水管を返り管に取り付けること(構造規格第100条)と合わせて覚えます。
-
ステーに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 平鏡板や管板のように平らな部分は圧力で変形しやすいので、ステーで補強する。
- 管ステーは、煙管より肉厚の鋼管を管板に溶接またはねじ込みで取り付けたもので、煙管の役目も兼ねる。
- ガセットステーは、炉筒と鏡板のすき間をなくすため、炉筒のすぐ近くまで鏡板に取り付ける。正解
- 棒ステーのうち、胴の長手方向に両側の鏡板を結ぶものを長手ステーという。
- 斜めステーは、鏡板と胴板を斜めに結んで鏡板を支える棒ステーである。
解説を見る
誤っているのは「ガセットステーは、炉筒と鏡板のすき間をなくすため、炉筒のすぐ近くまで鏡板に取り付ける」です。炉筒は燃焼の熱で伸び縮みし、鏡板がたわんでそれを吸収します。そのためガセットステーは、炉筒との間の鏡板にブリージングスペースと呼ぶ間隔を残して取り付けます。管ステーは煙管の役目も兼ねます。
-
胴と鏡板に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 同じ材料・同じ厚さの鏡板では、平鏡板が最も強く、全半球形鏡板が最も弱い。
- 内部の圧力によって胴板に生じる周方向の応力は、軸方向の応力の2倍になる。正解
- 胴の周継手には、長手継手の2倍の強さが必要である。
- 煙管が取り付けられる鏡板を、とくに火室板という。
- 皿形鏡板は、平鏡板よりも圧力による変形が大きい。
解説を見る
正しいのは「内部の圧力によって胴板に生じる周方向の応力は、軸方向の応力の2倍になる」です。周方向の応力は長手継手に掛かるので、長手継手のほうが周継手の2倍の強さを必要とします。鏡板の強さは全半球形、半だ円体形、皿形、平鏡板の順で、煙管を取り付ける鏡板は管板と呼びます。
-
ボイラーの胴などに設ける穴に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 胴や鏡板に穴をあけると強度が下がるので、必要に応じて補強する。
- マンホールは、人が内部に入って点検や清掃を行うための穴である。
- 燃焼室には、原則として掃除や検査のために内部に入ることのできる大きさのマンホールを設ける。
- 掃除穴はボイラーの内部を掃除するため、検査穴は内部を点検するために設ける穴である。
- 胴にだ円形のマンホールを設けるときは、長径を胴の軸方向に向ける。正解
解説を見る
誤っているのは「胴にだ円形のマンホールを設けるときは、長径を胴の軸方向に向ける」です。胴板には軸方向の2倍の応力が周方向に掛かるため、軸方向に長い穴は強度を大きく下げます。そこで短径を胴の軸方向に向けます。燃焼室に内部へ入れる大きさのマンホールを設けることは、ボイラー構造規格第82条に定めがあります。
-
伝熱面と燃焼室に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 燃焼室は、燃料と空気の混合を良くし、燃焼ガスが燃焼を終えるまで炉内にとどまる容積を持つことが求められる。正解
- 伝熱面とは、ボイラー本体のうち、燃焼ガスに触れず、水や蒸気にだけ触れる面である。
- 水管ボイラーでは、水管の内面(水に触れる面)の面積を伝熱面積とする。
- 放射伝熱面は、燃焼ガスの流れによる対流で主に熱を受ける部分である。
- 燃焼室の炉壁は、空気やガスが多少漏れても差し支えない。
解説を見る
正しいのは「燃焼室は、燃料と空気の混合を良くし、燃焼ガスが燃焼を終えるまで炉内にとどまる容積を持つ」ことです。滞留時間が足りないと未燃分が残ります。伝熱面は燃焼ガスに触れ、その裏側が水や蒸気に触れる面で、水管では燃焼ガスに触れる面の面積で数えます(ボイラー則第2条)。放射伝熱面は火炎の放射熱を主に受けます。
-
鋳鉄製ボイラーに関する次の文中の(A)、(B)に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。「鋳鉄製ボイラーのうち、底部も水で囲んで耐火材を必要としない構造のものを(A)式という。暖房用の蒸気ボイラーで、給水が水道など圧力のある水源から供給される場合は、その給水管を(B)に取り付ける。」
- A:ドライボトム B:返り管
- A:ウェットボトム B:蒸気管
- A:ドライボトム B:安全弁
- A:ウェットボトム B:返り管正解
- A:ウェットボトム B:逃がし管
解説を見る
正しいのは「A:ウェットボトム B:返り管」の組合せです。底部まで水で囲むウェットボトム式は、底部に耐火材を必要としない構造です。圧力のある水源からの給水管を返り管に取り付けることは、ボイラー構造規格第100条に定めがあります。ポンプで復水を戻す方式でも、給水管をボイラーに直接取り付けることはしません。
ほかの分野
二級ボイラー技士の模擬試験で判定する 間違えた問題だけ復習する 二級ボイラー技士では何が出る?
最新の法令と試験の内容は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式情報で確認してください。