二級ボイラー技士「異常時の対応」の練習問題(11問)
二級ボイラー技士の「異常時の対応」(ボイラーの取扱いに関する知識)から11問を収録しています。答えの下に解説があるので、間違えた理由をその場で確認できます。
過去の試験問題の転載や言い換えではなく、試験科目と法令・技術の内容から当サイトが独自に作成した問題です。
異常時の対応では何が問われる?
水位の異常低下の原因と措置、キャリオーバ(プライミング・ホーミング)の原因と対処、燃料遮断弁が閉じる原因、緊急停止の順序、ウォータハンマと二次燃焼が中心です。
異常時の対応で間違えやすいのはどこ?
安全低水面を割ったらまず燃料を止める。鋳鉄製は給水しない。キャリオーバはボイラー水の濃度が高いほど起こりやすく、燃焼量は下げる。緊急停止では主蒸気弁より燃料が先、ダンパは開けたまま。
異常時の対応をくわしく知るには?
水位の異常低下、キャリオーバ、燃料の遮断、ウォータハンマ、圧力の異常上昇など、運転中に起こる異常の原因と、そのときに取る措置の順序をまとめました。
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ボイラーの水位が異常に低下する原因として、誤っているものはどれか。
- 給水ポンプが故障したり、給水弁の開き忘れがあったりした。
- 蒸気の使用量が急に減って、ボイラーの圧力が上昇した。正解
- 吹出し弁が完全に閉じておらず、ボイラー水が漏れていた。
- 給水内管の穴が詰まって、給水が十分に入らなかった。
- 水面計の機能に異常があり、正しい水位を示していなかったため、給水が遅れた。
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誤っているのは「蒸気の使用量が急に減って、ボイラーの圧力が上昇した」です。蒸気の使用量が減れば、水の減り方はむしろ遅くなります。水位の異常低下は、給水ポンプの故障や給水弁の開き忘れ、吹出し弁の漏れ、給水内管の詰まり、水面計の機能不良による見誤りなど、給水不足・水の流出・水位の見誤りのどれかで起こります。
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蒸気ボイラーの水位が安全低水面以下に異常に低下したときの措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 水位を早く戻すため、燃焼を続けたまま大量の給水を行う。
- 鋳鉄製ボイラーの場合は、直ちに大量の給水をして本体を冷やす。
- 燃焼を止めた後は、炉内の換気をせずにダンパを閉じる。
- 水位を確かめるため、安全弁を手で開いて蒸気を放出する。
- 燃料の供給を止めて燃焼を停止し、炉内を換気し、主蒸気弁を閉じる。正解
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正しいのは「燃料の供給を止めて燃焼を停止し、炉内を換気し、主蒸気弁を閉じる」です。過熱した伝熱面に急に水を入れると、急冷で割れや変形を起こすおそれがあります。燃料を止めるより先に給水することはなく、鋳鉄製ボイラーではどんな場合も給水しません。炉を冷やし、ボイラーが冷えてから損傷の有無と原因を調べます。
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キャリオーバに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- プライミングは、急激な蒸発などでボイラー水が水滴となって蒸気とともに運ばれる現象である。正解
- ホーミングは、ボイラー水中の溶存酸素が多いときに、伝熱面に点食が生じる現象である。
- キャリオーバは、ボイラー水が不足して伝熱面が過熱する現象である。
- キャリオーバが起きても、蒸気の乾き度は変わらない。
- キャリオーバは、ボイラー水の濃度が低いときほど起こりやすい。
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正しいのは「プライミングは、急激な蒸発などでボイラー水が水滴となって蒸気とともに運ばれる現象」です。ホーミングは、溶解物や油脂などでボイラー水に泡が立ち、泡が蒸気とともに運ばれる現象です。どちらもキャリオーバの一種で、蒸気の乾き度が下がります。ボイラー水が濃縮しているほど起こりやすくなります。
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キャリオーバの発生原因として、誤っているものはどれか。
- 蒸気の負荷が過大である。
- 主蒸気弁を急に開いた。
- ボイラー水の水位が高すぎる。
- ボイラー水の溶解性蒸発残留物の濃度が低い。正解
- ボイラー水に油脂分が含まれている。
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誤っているのは「ボイラー水の溶解性蒸発残留物の濃度が低い」です。キャリオーバは、溶解性蒸発残留物が濃縮して濃度が高くなったときに起こりやすくなります。蒸気負荷が大きすぎる、主蒸気弁を急に開く、水位が高すぎる、油脂分や有機物を含む、といった条件も泡立ちや水滴の持ち出しを招きます。
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キャリオーバが発生したときの影響と措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 水面計の水位が上下して、正しい水位が分かりにくくなる。
- 蒸気とともに水分が運ばれるので、蒸気の純度が下がる。
- 発生したら、燃焼量を増やして蒸気の発生を早め、泡を消す。正解
- 主蒸気弁を絞って、蒸気の送り出しを減らす。
- ボイラー水の一部を吹き出して入れ替え、水質試験を行う。
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誤っているのは「発生したら、燃焼量を増やして蒸気の発生を早め、泡を消す」です。燃焼量を増やすと蒸発が激しくなり、キャリオーバは悪化します。燃焼量を下げ、主蒸気弁を絞り、水位が高ければ吹出しで下げ、ボイラー水の一部を入れ替えて水質を確かめます。配管に持ち込まれた水はウォータハンマの原因にもなります。
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油だきボイラーの運転中に、燃料遮断弁が閉じて燃焼が止まる原因として、誤っているものはどれか。
- 火炎検出器の受光面が汚れていた。
- 燃料油の温度が低すぎて、霧化が悪くなった。
- 燃料油に水分やスラッジが混じり、ストレーナが詰まった。
- ボイラーの水位が安全低水面まで下がった。
- 送風機の吸込み口が清掃され、燃焼用空気が十分に供給されていた。正解
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誤っているのは「送風機の吸込み口が清掃され、燃焼用空気が十分に供給されていた」です。これは正常な状態で、燃料が遮断される原因ではありません。火炎検出器の汚れで火炎を見失ったとき、油温が低く霧化が悪くて火炎が不安定になったとき、ストレーナの詰まりで燃料が届かないとき、水位が安全低水面まで下がったときに燃料遮断弁が閉じます。
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ボイラーの運転中に異常が生じて緊急停止するときの操作の順序として、正しいものはどれか。
- 主蒸気弁を閉じる → 燃料の供給を止める → 炉内を換気する → 給水を判断する
- 燃料の供給を止める → 炉内を換気する → 主蒸気弁を閉じる → 給水が必要なら給水し、水位を保つ正解
- 給水を止める → 主蒸気弁を開く → 燃料の供給を止める → ダンパを閉じる
- 炉内を換気する → 燃料の供給を止める → ダンパを閉じる → 主蒸気弁を開く
- ダンパを閉じる → 燃料の供給を止める → 主蒸気弁を閉じる → 炉内を換気する
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正しいのは「燃料の供給を止める → 炉内を換気する → 主蒸気弁を閉じる → 給水が必要なら給水し、水位を保つ」の順です。まず熱の入りを断ち、炉内の可燃ガスを追い出してから蒸気の送り出しを止めます。換気を行うので、ダンパは閉じません。水位が安全低水面を割っている場合は、急な給水を避けて状況を判断します。
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ウォータハンマに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- ウォータハンマを防ぐには、送気を始めるときに主蒸気弁を急に全開にするとよい。正解
- 蒸気配管内にたまったドレンが、蒸気に押されて管の曲がりや弁に衝突して起こる。
- 送気前にドレン弁を開いて、配管内のドレンを排出しておく。
- 蒸気配管には、ドレンがたまりやすい所に蒸気トラップを設ける。
- キャリオーバで水滴が蒸気配管に持ち込まれることも原因になる。
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誤っているのは「ウォータハンマを防ぐには、送気を始めるときに主蒸気弁を急に全開にするとよい」です。主蒸気弁を急に開くと、冷えた配管で凝縮したドレンが勢いよく押し流されて衝撃が起きます。弁は少しずつ開き、事前にドレンを抜いて配管を暖めます。ドレンのたまりやすい所には蒸気トラップを設け、キャリオーバによる水滴の持ち込みも防ぎます。
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異常な燃焼に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 二次燃焼は、燃焼室で燃え残った可燃物が燃焼室内で再び燃える、正常な燃焼の一部である。
- 不完全燃焼が続いても、煙道にすすがたまることはない。
- 燃焼中に火炎が消えても、燃料を送り続ければ炉内の熱ですぐに再着火するので問題はない。
- 二次燃焼は、未燃ガスやすすが煙道などに流れ込み、そこで燃える現象で、煙道や附属設備を損傷することがある。正解
- 燃焼室の温度が低すぎても、燃焼の状態には影響しない。
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正しいのは「二次燃焼は、未燃ガスやすすが煙道などに流れ込み、そこで燃える現象で、煙道や附属設備を損傷することがある」です。不完全燃焼が続くと未燃分が煙道にたまり、二次燃焼の元になります。燃焼中に火炎が消えたときは直ちに燃料を止め、換気してから点火し直します。炉内の熱で再着火させるのは爆発の原因です。
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水位の異常低下に関連する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 水位が安全低水面以下になると、伝熱面が水で冷やされなくなり、過熱して変形や破裂を起こすおそれがある。
- 水位の異常低下の後は、ボイラーが冷えてから、伝熱面の膨出や継手の漏れがないかを調べる。
- 鋳鉄製ボイラーで水位が異常に下がったときは、直ちに給水して水位を戻すのがよい。正解
- 低水位燃料遮断装置が作動したときは、原因を取り除くまで燃焼を再開しない。
- 水面計の機能に異常があると、水位の低下に気づくのが遅れる原因になる。
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誤っているのは「鋳鉄製ボイラーで水位が異常に下がったときは、直ちに給水して水位を戻すのがよい」です。高温になった鋳鉄のセクションに水を入れると、急冷による不同収縮で割れるおそれがあるので給水しません。燃焼を止めて自然に冷やし、冷えてから伝熱面の膨出や継手の漏れを調べます。低水位燃料遮断装置が働いたら、原因を除くまで再開しません。
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蒸気圧力の異常な上昇に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 安全弁が作動しても圧力が上がり続けるときは、主蒸気弁を閉じて蒸気の送り出しを止める。
- 圧力が最高使用圧力に近づいても下がらないときは、燃料の供給を止めて燃焼を停止する。正解
- 安全弁が設定圧力になっても作動しないときは、ばねをさらに締め付けて様子を見る。
- 圧力制限器が作動して燃焼が止まったら、すぐに設定値を上げて再起動する。
- 圧力計の指示が急に上がったときは、ほかの計器と見比べる必要はなく、そのまま運転を続けてよい。
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正しいのは「圧力が最高使用圧力に近づいても下がらないときは、燃料の供給を止めて燃焼を停止する」です。熱の入りを断つのが第一で、主蒸気弁を閉じると行き場のない蒸気で圧力はさらに上がります。安全弁が働かないときにばねを締めると吹出し圧力が高くなり逆効果です。圧力制限器の設定を上げて再起動するのも、原因を残したまま危険を大きくします。
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