二級ボイラー技士「燃料の種類と性質」の練習問題(12問)

二級ボイラー技士の「燃料の種類と性質」(燃料及び燃焼に関する知識)から12問を収録しています。答えの下に解説があるので、間違えた理由をその場で確認できます。

過去の試験問題の転載や言い換えではなく、試験科目と法令・技術の内容から当サイトが独自に作成した問題です。

燃料の種類と性質では何が問われる?

燃料の分析方法、引火点と着火温度、高発熱量と低発熱量の定義、重油の密度による性質の違い、成分ごとに起こる障害が中心です。

燃料の種類と性質で間違えやすいのはどこ?

引火点(炎を近づけて燃える)と着火温度(炎なしで燃える)、低温腐食(硫黄分)と高温腐食(バナジウム)の入れ替えが多い。単位質量当たりの発熱量はA重油のほうがC重油より大きい。

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燃料の種類と性質をくわしく知るには?

重油・ガス・石炭の性質の違いと、引火点・着火温度・発熱量の定義、重油の成分が起こす障害を1本にまとめました。

燃料の種類と性質を読む

  1. 燃料の分析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    • 元素分析は、燃料を構成する炭素、水素、窒素、硫黄などの割合を質量(%)で表すものである。
    • 工業分析は、固体燃料の水分、灰分及び揮発分を測定し、残りを固定炭素として求めるものである。
    • 気体燃料の成分分析では、メタンやエタンなどの各成分の割合を、一般に質量(%)で表す。正解
    • 石炭の燃料比は、固定炭素を揮発分で割った値である。
    • 工業分析で揮発分が多いと分かった石炭は、一般に着火しやすい。
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    誤っているのは「気体燃料の成分分析では、各成分の割合を一般に質量(%)で表す」です。気体燃料の成分は体積(%)で表します。液体・固体燃料の元素分析が質量で表すのと区別してください。工業分析で固定炭素を直接測らずに残りとして求める記述や、燃料比を固定炭素÷揮発分とする記述は正しい内容です。

  2. 引火点及び着火温度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    • 引火点は、燃料を空気中で加熱したとき、炎を近づけなくても自ら燃え出す最低の温度である。
    • 着火温度は、燃料を加熱して小さな炎を近づけたとき、燃え出す最低の温度である。
    • 液体燃料では、一般に引火点のほうが着火温度より高い。
    • 着火温度は燃料の種類だけで決まり、加熱の速さや周囲の空気の状態には左右されない。
    • 引火点は液体燃料の取扱いにおける火災の危険の目安で、引火点が低い燃料ほど引火の危険が大きい。正解
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    正しいのは「引火点が低い燃料ほど引火の危険が大きい」です。引火点は小さな炎を近づけたときに燃え出す最低の温度なので、低いほど常温に近い状態で火がつきます。炎なしで自ら燃え出す温度は着火温度で、液体燃料では着火温度のほうが引火点より高くなります。最初の2つの記述は定義を入れ替えたものです。

  3. 燃料の発熱量に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    • 低発熱量は、高発熱量に、燃焼によって生じた水蒸気の潜熱を加えた値である。正解
    • 高発熱量は、燃焼によって生じた水蒸気の潜熱を含めた発熱量で、総発熱量ともいう。
    • 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素と水分が多いほど大きい。
    • 液体燃料や固体燃料の発熱量は、一般に燃料1kg当たりの熱量(MJ/kg)で表す。
    • 気体燃料の発熱量は、一般に標準状態の燃料1m³当たりの熱量(MJ/m³N)で表す。
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    誤っているのは「低発熱量は、高発熱量に水蒸気の潜熱を加えた値」です。低発熱量(真発熱量)は、高発熱量から水蒸気の潜熱を差し引いた値で、必ず高発熱量より小さくなります。水蒸気は燃料中の水素の燃焼と水分から生じるため、水素と水分が多い燃料ほど両者の差が大きくなります。

  4. 重油の性質に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    • 重油の比熱は、温度や密度によらず一定である。
    • 重油の密度は、温度が上がると小さくなる。正解
    • 密度の小さいA重油は、C重油より単位質量当たりの発熱量が小さい。
    • C重油はA重油より粘度が低いので、加熱しなくてもそのまま霧化できる。
    • 重油の粘度は、温度が上がると大きくなる。
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    正しいのは「重油の密度は、温度が上がると小さくなる」です。温度が上がると油は膨張し、同じ質量でも体積が増えるためです。粘度も温度が上がると小さくなります。重油の比熱は温度と密度によって変わり、単位質量当たりの発熱量はA重油のほうがC重油より大きいので、1つ目と3つ目は誤りです。C重油は粘度が高く、加熱して使います。

  5. 重油の種類と性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    • 日本産業規格(JIS K 2205)では、重油を1種(A重油)、2種(B重油)、3種(C重油)に分けている。
    • C重油はA重油に比べて、残留炭素分や硫黄分が多い傾向がある。
    • B重油やC重油は、送油やバーナでの霧化のため、加熱して粘度を下げて使う。
    • C重油はA重油より密度が大きいので、単位質量当たりの発熱量もA重油より大きい。正解
    • 流動点は、重油を冷やしていったときに流動できる最低の温度で、低温での取扱いの目安になる。
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    誤っているのは「C重油はA重油より密度が大きいので、単位質量当たりの発熱量もA重油より大きい」です。単位質量当たりの発熱量は、密度の小さいA重油のほうがC重油より大きくなります。C重油は成分の大部分が蒸留残さ油で、JIS K 2205の硫黄分の上限も1種より3種1号のほうが高く定められています。B重油やC重油を加熱して粘度を下げてから送油・霧化するという記述は正しい内容です。

  6. 重油に含まれる成分とその影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    • 硫黄分は、過熱器などの高温の伝熱面に付着して高温腐食を起こす主な原因である。
    • 灰分に含まれるバナジウムの化合物は、エコノマイザや空気予熱器の低温腐食の主な原因である。
    • 水分が多いと、熱損失が増えるほか、火炎が断続するいきづき燃焼を起こすことがある。正解
    • スラッジは燃焼性を良くするので、多く含むほど燃焼が安定する。
    • 残留炭素分が多い重油ほど、ばいじんの発生量は少なくなる。
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    正しいのは「水分が多いと、熱損失が増え、いきづき燃焼を起こすことがある」です。水分は蒸発に熱を奪い、霧化と燃焼を乱すためです。硫黄分は低温腐食、バナジウムは高温腐食の原因で、1つ目と2つ目は原因と場所を入れ替えています。スラッジはストレーナやバーナの詰まりを、残留炭素分はばいじんの増加を招きます。

  7. 重油に含まれる成分と、それが主な原因となる障害との組合せとして、誤っているものはどれか。

    • 硫黄分 ― 低温腐食
    • バナジウム ― 高温腐食
    • スラッジ ― ストレーナやバーナチップの詰まり
    • 水分 ― 熱損失の増加
    • 残留炭素分 ― 伝熱面の低温腐食正解
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    誤っているのは「残留炭素分 ― 伝熱面の低温腐食」です。残留炭素分が多い重油は、燃え残った炭素がすすとなり、ばいじんを増やします。伝熱面の低温腐食の主な原因は硫黄分で、燃焼でできた三酸化硫黄が硫酸となって低温の伝熱面に付いて起こります。バナジウムによる高温腐食とも取り違えないようにしてください。

  8. 気体燃料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    • 天然ガスを主な原料とする都市ガスの主成分であるメタンは空気より軽く、LPGの主成分であるプロパンやブタンは空気より重い。正解
    • LPGは空気より軽いので、漏れると天井付近にたまりやすい。
    • 気体燃料は空気との混合が難しいので、液体燃料より大きな空気比が必要になる。
    • 気体燃料は水素の割合が小さいので、高発熱量と低発熱量の差が液体燃料より小さい。
    • LNGは硫黄分を多く含むので、燃焼すると硫黄酸化物が多く生じる。
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    正しいのは「メタンは空気より軽く、プロパンやブタンは空気より重い」です。LPGは漏れると床面やピットなど低い所にたまるので、検知と換気の位置に注意がいります。気体燃料は空気と混ざりやすく、少ない空気比で燃やせます。水素の割合が大きいので高発熱量と低発熱量の差は大きく、LNGは硫黄分をほとんど含みません。

  9. 液体燃料と気体燃料の特徴に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    • 液体燃料は発熱量が大きく、貯蔵や運搬がしやすい。
    • 気体燃料は、同じ熱量を得るのに必要な燃料の体積が液体燃料より小さいので、配管を細くできる。正解
    • 気体燃料は燃焼の調節がしやすく、ばいじんの発生も少ない。
    • 液体燃料は燃焼温度が高いので、炉壁の局部過熱などに注意がいる。
    • 気体燃料は漏れたときにガス爆発のおそれがあるので、漏れの検知と換気が大切である。
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    誤っているのは「気体燃料は必要な体積が液体燃料より小さいので、配管を細くできる」です。気体は液体に比べて密度がはるかに小さく、同じ熱量を得るには大きな体積が必要なので、配管は太くなります。液体燃料は発熱量が大きく貯蔵や運搬がしやすい、気体燃料は燃焼の調節がしやすくばいじんが少ない、という記述は正しい内容です。

  10. 石炭に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    • 石炭は炭化度が進むほど揮発分が増え、着火しやすくなる。
    • 燃料比が大きい石炭ほど、揮発分の割合が大きい。
    • 揮発分の多い石炭は、着火しにくく、短い火炎をつくる。
    • 無煙炭は瀝青炭に比べて固定炭素が多く、燃料比が大きい。正解
    • 工業分析では、固定炭素を直接測定し、揮発分をその残りとして求める。
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    正しいのは「無煙炭は瀝青炭に比べて固定炭素が多く、燃料比が大きい」です。石炭は炭化度が進むほど固定炭素が増えて揮発分が減り、燃料比(固定炭素÷揮発分)が大きくなって着火しにくくなります。揮発分の多い石炭は着火しやすく、長い火炎をつくります。工業分析で残りとして求めるのは固定炭素のほうです。

  11. 重油の粘度、引火点及び流動点に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    • 流動点が高い重油ほど、低温でも加熱せずに送油しやすい。
    • 引火点は燃焼のしやすさを示す値で、引火点が高い重油ほど着火しやすい。
    • 粘度は送油やバーナでの霧化のしやすさに関係し、粘度が高すぎると霧化が悪くなる。正解
    • 密度の大きい重油ほど、粘度は低い。
    • 重油を加熱すると、体積が小さくなり、密度が大きくなる。
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    正しいのは「粘度が高すぎると霧化が悪くなる」です。粘度の高い油は細かい粒になりにくく、燃え残りやすすの原因になるため、B重油やC重油は加熱して粘度を下げます。流動点が高い油ほど低温で流れにくく、送油に加熱がいります。密度の大きい重油ほど粘度は高く、加熱すると体積が増えて密度は小さくなります。

  12. 燃料中の成分が燃焼したときに生じるものに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    • 燃料中の炭素は、完全燃焼すると二酸化炭素になる。
    • 燃料中の水素は、燃焼すると水蒸気になる。
    • 燃料中の硫黄は、燃焼すると主に二酸化硫黄になる。
    • 燃料中の灰分は、燃焼すると二酸化炭素と水蒸気に分解して排出される。正解
    • 燃料中の窒素化合物は、燃焼するとその一部が窒素酸化物になる。
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    誤っているのは「燃料中の灰分は、燃焼すると二酸化炭素と水蒸気に分解して排出される」です。灰分は燃えない無機物で、燃焼後も灰として残り、一部はばいじんとして排ガスとともに出ます。炭素は二酸化炭素に、水素は水蒸気に、硫黄は主に二酸化硫黄になり、燃料中の窒素化合物からはフューエルNOxが生じます。

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