二級ボイラー技士「通風・熱損失・大気汚染物質」の練習問題(11問)
二級ボイラー技士の「通風・熱損失・大気汚染物質」(燃料及び燃焼に関する知識)から11問を収録しています。答えの下に解説があるので、間違えた理由をその場で確認できます。
過去の試験問題の転載や言い換えではなく、試験科目と法令・技術の内容から当サイトが独自に作成した問題です。
通風・熱損失・大気汚染物質では何が問われる?
自然通風の通風力の決まり方、押込・誘引・平衡通風の違い、ファンの種類、排ガス熱損失の減らし方、NOx・SOxの発生と抑制、低温腐食の防止が中心です。
通風・熱損失・大気汚染物質で間違えやすいのはどこ?
炉内が正圧になるのは押込通風、負圧になるのは誘引通風。動力が小さいのは常温の空気を扱う押込通風。NOxの大部分は一酸化窒素、SOxの大部分は二酸化硫黄。低温腐食の防止では給水温度を上げる。
通風・熱損失・大気汚染物質をくわしく知るには?
自然通風と押込・誘引・平衡通風、ファンの種類、ボイラーの熱損失、NOx・SOx・ばいじんの発生と抑え方、低温腐食の防ぎ方を解説します。
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自然通風に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 自然通風の通風力は、煙突が高いほど、また煙突内のガス温度が高いほど大きくなる。正解
- 自然通風の通風力は、煙突内のガスの密度が大きいほど大きくなる。
- 自然通風は、ファンを使うので、炉内圧を自由に調節できる。
- 自然通風の通風力は、外気温度が高いほど大きくなる。
- 自然通風は、通風抵抗の大きいボイラーに適している。
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正しいのは「煙突が高いほど、また煙突内のガス温度が高いほど大きくなる」です。自然通風は、煙突内の高温で軽いガスと外の冷たく重い空気との密度差によって生じます。ガスの密度が小さいほど、外気温度が低いほど密度差は大きくなるので、2つ目と4つ目は逆です。ファンを使わないため通風力は弱く、通風抵抗の大きいボイラーには向きません。
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人工通風に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 押込通風は、燃焼用空気をファンで炉内に押し込む方式で、炉内は大気圧より高くなる。
- 誘引通風は、煙道又は煙突の入口に設けたファンで燃焼ガスを吸い出す方式で、炉内は大気圧より低くなる。
- 平衡通風は、押込ファンと誘引ファンを併用し、炉内圧を大気圧よりわずかに低く保つ方式である。
- 誘引通風のファンは常温の空気を扱うので、押込通風のファンより小さな動力ですむ。正解
- 押込通風では炉内が正圧になるので、燃焼ガスが外に漏れないよう炉やケーシングの気密に注意がいる。
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誤っているのは「誘引通風のファンは常温の空気を扱うので、押込通風のファンより小さな動力ですむ」です。誘引通風のファンは高温で体積の大きい燃焼ガスを扱うので、大型になり動力も大きく、耐熱性と耐食性も求められます。常温の空気を扱い動力が小さいのは押込通風です。平衡通風が炉内圧を大気圧よりわずかに低く保つという記述は正しい内容です。
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押込通風に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 押込通風は、高温の燃焼ガスを扱うため、ファンに耐熱性と耐食性が求められる。
- 押込通風は、常温の空気を扱うので、誘引通風に比べてファンの所要動力が小さい。正解
- 押込通風では炉内が負圧になるので、外気が炉内に漏れ込みやすい。
- 押込通風は、ファンを煙道の出口付近に設ける方式である。
- 押込通風の通風力は、煙突の高さだけで決まる。
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正しいのは「押込通風は、常温の空気を扱うので、誘引通風に比べてファンの所要動力が小さい」です。常温の空気は燃焼ガスより温度が低く体積も小さいため、同じ質量を送るのに小さなファンですみます。高温の燃焼ガスを扱いファンに耐熱性・耐食性が求められるのは誘引通風です。押込通風では炉内が正圧になり、燃焼ガスの外への漏れに注意します。
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ボイラーの通風に用いるファンに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 多翼形ファンは、羽根車の外周近くに、浅く幅の広い前向きの羽根を多数設けたものである。
- 多翼形ファンは、効率が高いので、高温・高圧・大容量の通風に最も適している。正解
- 後向き形ファンは、高温・高圧・大容量のボイラーの通風に適している。
- ラジアル形ファンは、回転軸から放射状に平板の羽根を取り付けた簡単な形のもので、羽根の取替えがしやすい。
- 誘引通風のファンは、比較的高温で体積の大きい燃焼ガスを扱うので、大形のものが必要になる。
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誤っているのは「多翼形ファンは、効率が高いので、高温・高圧・大容量の通風に最も適している」です。多翼形ファンは小形で場所をとりませんが、効率は高くなく、高温・高圧・大容量に向くのは後向き形ファンです。ラジアル形ファンは形が簡単で羽根を取り替えやすく、摩耗にも強い方式です。誘引通風のファンは、高温で体積の大きい燃焼ガスを扱うので大形になります。
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ボイラーの熱損失に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ボイラーの熱損失のうち、一般に最も大きいのは排ガス熱損失である。正解
- 排ガス熱損失は、空気比を大きくして排ガス量を増やすほど小さくなる。
- 放熱損失は、燃料中の未燃分が灰とともに排出されることによる損失である。
- 不完全燃焼による損失は、燃焼ガス中に二酸化炭素が残ることによって生じる。
- 排ガス温度を上げると、排ガス熱損失は小さくなる。
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正しいのは「一般に最も大きいのは排ガス熱損失である」です。排ガス熱損失は排ガスの量と温度で決まり、空気比が大きいほど、排ガス温度が高いほど大きくなります。不完全燃焼による損失は一酸化炭素やすすが残ることで生じ、二酸化炭素は完全燃焼の生成物です。未燃分が灰とともに出るのは未燃分による損失で、放熱損失はボイラーの周壁から逃げる熱です。
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ボイラーの熱損失を減らす方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 不完全燃焼を起こさない範囲で空気比を小さくし、排ガス量を減らす。
- 伝熱面のすすやスケールを取り除き、排ガス温度が上がらないようにする。
- 不完全燃焼を確実に防ぐため、空気比を必要以上に大きくして運転する。正解
- ボイラーの周壁やケーシングの保温を良くして、放熱を減らす。
- エコノマイザや空気予熱器で排ガスの熱を回収する。
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誤っているのは「不完全燃焼を確実に防ぐため、空気比を必要以上に大きくして運転する」です。空気比を大きくしすぎると排ガス量が増え、最も大きな損失である排ガス熱損失がかえって増えます。不完全燃焼を起こさない範囲で空気比を小さく保つのが基本です。伝熱面の清掃やエコノマイザ・空気予熱器による熱回収は、排ガス温度を下げて損失を減らす方法です。
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窒素酸化物(NOx)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ボイラーの燃焼で生じる窒素酸化物は、大部分が二酸化窒素で、一酸化窒素はわずかである。
- サーマルNOxは、燃料中の窒素化合物が酸化して生じるものである。
- 燃焼温度が高く、高温域での燃焼ガスの滞留時間が長いほど、サーマルNOxは多く生じる。正解
- 窒素酸化物を減らすには、空気比を大きくして燃焼温度を上げるとよい。
- LNGは窒素化合物を多く含むので、フューエルNOxが多く生じる。
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正しいのは「燃焼温度が高く、高温域での燃焼ガスの滞留時間が長いほど、サーマルNOxは多く生じる」です。サーマルNOxは燃焼用空気中の窒素が高温で酸化してできるもので、燃料中の窒素化合物からできるのはフューエルNOxです。燃焼で生じる窒素酸化物は大部分が一酸化窒素です。減らすには燃焼温度を下げ、高温部の酸素を少なくします。
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窒素酸化物の発生を抑える方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 二段燃焼は、燃焼用空気を二段階に分けて供給し、高温で酸素の多い領域をつくらないようにする方法である。
- 排ガス再循環燃焼は、排ガスの一部を燃焼用空気に混ぜて、燃焼温度を下げる方法である。
- 濃淡燃焼は、一部を燃料の多い状態で、一部を空気の多い状態で燃やし、全体として適正な空気比にする方法である。
- 窒素化合物の少ない燃料を使うと、フューエルNOxを減らすことができる。
- 燃焼室熱負荷を大きくして火炎温度を上げると、窒素酸化物の発生を抑えられる。正解
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誤っているのは「燃焼室熱負荷を大きくして火炎温度を上げると、窒素酸化物の発生を抑えられる」です。火炎温度が高いほどサーマルNOxは増えるので、抑制とは逆の方向です。二段燃焼、排ガス再循環、濃淡燃焼は、どれも燃焼温度を下げたり高温部の酸素を減らしたりしてサーマルNOxを抑えます。窒素化合物の少ない燃料はフューエルNOxの抑制に効きます。
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硫黄酸化物及びばいじんに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 燃料中の硫黄が燃焼して生じる硫黄酸化物は、大部分が三酸化硫黄である。
- 硫黄酸化物は燃料中の硫黄分から生じるので、硫黄分の少ない燃料を使うと発生を減らせる。正解
- ばいじんは燃焼で生じたすすだけをいい、燃料中の灰分に由来するものは含まない。
- 硫黄酸化物は、空気比を小さくすれば全く発生しなくなる。
- すすは、燃料が完全燃焼したときに多く生じる。
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正しいのは「硫黄分の少ない燃料を使うと発生を減らせる」です。硫黄酸化物は燃料中の硫黄が燃えてできるので、燃焼の方法を変えても発生量はほとんど変わらず、燃料の硫黄分を減らすか排煙脱硫で取り除きます。生じる硫黄酸化物の大部分は二酸化硫黄で、三酸化硫黄はその一部です。ばいじんには、すすのほか灰分に由来するダストも含まれます。
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低温腐食及びその防止に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 低温腐食は、燃料中の硫黄からできた三酸化硫黄が水分と結びつき、露点以下の伝熱面で硫酸となって起こる。
- 低温腐食は、エコノマイザや空気予熱器など、排ガスの温度が低くなる部分で起こりやすい。
- 低温腐食を抑えるには、エコノマイザに入る給水の温度を下げ、伝熱面の温度を低く保つ。正解
- 低温腐食を抑えるには、低い空気比で燃焼させ、三酸化硫黄の生成を抑える。
- 低温腐食を抑えるには、硫黄分の少ない燃料を使う。
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誤っているのは「エコノマイザに入る給水の温度を下げ、伝熱面の温度を低く保つ」です。伝熱面の温度が硫酸の露点より下がると腐食が進むので、給水温度を上げて伝熱面の温度を高く保つのが正しい対策です。硫黄分の少ない燃料を使うことや、低い空気比で燃やして二酸化硫黄から三酸化硫黄への変化を抑えることも有効です。
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高さ30 mの煙突で、外気の密度が1.20 kg/m³、煙突内のガスの密度が0.75 kg/m³のとき、理論通風力 Z = H ×(外気の密度 − ガスの密度)× g に最も近いものはどれか。ただし、重力加速度 g は9.8 m/s²とする。
- 13.5 Pa
- 573 Pa
- 221 Pa
- 353 Pa
- 132 Pa正解
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正しいのは「132 Pa」です。密度の差は1.20 − 0.75 = 0.45 kg/m³で、30 × 0.45 × 9.8 = 132.3 Paとなります。13.5は重力加速度を掛け忘れた値、221はガスの密度だけを使った値、353は外気の密度だけを使った値です。通風力は煙突が高いほど、煙突内外の密度差が大きいほど大きくなります。
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