二級ボイラー技士「ボイラー用水・水処理・保存」の練習問題(12問)
二級ボイラー技士の「ボイラー用水・水処理・保存」(ボイラーの取扱いに関する知識)から12問を収録しています。答えの下に解説があるので、間違えた理由をその場で確認できます。
過去の試験問題の転載や言い換えではなく、試験科目と法令・技術の内容から当サイトが独自に作成した問題です。
ボイラー用水・水処理・保存では何が問われる?
ボイラー水中の不純物とその害、pH・硬度・酸消費量・導電率の意味、単純軟化法と脱気、清缶剤の種類と使い分け、休止中の保存法、清浄作業が中心です。
ボイラー用水・水処理・保存で間違えやすいのはどこ?
単純軟化法は硬度成分をナトリウムに換えるだけで、溶解性蒸発残留物もシリカも減らない。導電率が高いほど塩類が多い。凍結のおそれがあるなら乾燥保存。ヒドラジンは窒素と水になり溶解固形分を増やさない。
ボイラー用水・水処理・保存をくわしく知るには?
ボイラー水中の不純物とその害、水質の指標、補給水の処理(軟化・脱気)、清缶剤、休止中の保存法、清浄作業まで、水の管理に関わる内容をまとめました。
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ボイラー水の水質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- pHは、水溶液の酸性・アルカリ性の度合いを示す値で、常温で7が中性である。
- 硬度は、水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの量を、炭酸カルシウムの量に換算して表す。
- 酸消費量は、水中に含まれる水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などのアルカリ分の量を示す。
- 導電率が低い水ほど、水中に溶けている塩類などの量が多い。正解
- 酸消費量には、pH4.8まで中和するのに要する酸の量と、pH8.3まで中和するのに要する酸の量の2種類がある。
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誤っているのは「導電率が低い水ほど、水中に溶けている塩類などの量が多い」です。塩類が多く溶けているほど電気を通しやすくなるので、導電率は高くなります。導電率はボイラー水の濃縮の目安に使われ、吹出し量を決める参考になります。硬度は炭酸カルシウム換算で表し、酸消費量にはpH4.8とpH8.3の2つがあります。
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ボイラー水中の不純物とその障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 溶存酸素や二酸化炭素は、スケールの主な成分となる。
- カルシウムやマグネシウムの塩類は、伝熱面にスケールとして付着し、伝熱を妨げる。正解
- スケールは熱をよく伝えるので、厚く付いても伝熱面の温度は上がらない。
- 油脂分は、ボイラー水の泡立ちを防ぐはたらきがある。
- 懸濁物は、ボイラー水に完全に溶けている物質である。
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正しいのは「カルシウムやマグネシウムの塩類は、伝熱面にスケールとして付着し、伝熱を妨げる」です。スケールは熱伝導率が小さく、付くと伝熱面の温度が上がって過熱や膨出の原因になります。溶存酸素や二酸化炭素は腐食の原因で、油脂分はホーミングを招きます。懸濁物は水に溶けずに浮遊している物質で、りん酸カルシウムなどの不溶物質やエマルジョン化した鉱物油が含まれます。
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単純軟化法による補給水の処理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 強酸性陽イオン交換樹脂を使い、水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンをナトリウムイオンと交換する。
- 交換能力が低下した樹脂は、食塩水(塩化ナトリウム水溶液)を通して再生する。
- 処理を続けると、ある時点から処理水の残留硬度が急に上がる。この点を貫流点という。
- 単純軟化法では、水中のシリカはほとんど除去できない。
- 単純軟化法を行うと、水中の溶解性蒸発残留物の量も大きく減る。正解
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誤っているのは「単純軟化法を行うと、水中の溶解性蒸発残留物の量も大きく減る」です。単純軟化法は硬度成分をナトリウムに置き換えるだけなので、溶けている塩類の総量はほとんど変わりません。貫流点を過ぎると残留硬度が急に上がるので、その前に食塩水で樹脂を再生します。シリカもほぼそのまま残ります。
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補給水中の溶存気体の除去に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 加熱脱気法は、水を加熱すると気体の溶解度が小さくなることを利用して、溶存酸素などを除く方法である。正解
- 真空脱気法は、水を加圧して溶存気体を水に溶かし込む方法である。
- 膜脱気法は、イオン交換樹脂で酸素をナトリウムと交換する方法である。
- 脱酸素剤は、ボイラー水中の硬度成分を不溶性の化合物に変える薬剤である。
- 溶存酸素は、ボイラーの腐食にほとんど影響しない。
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正しいのは「加熱脱気法は、水を加熱すると気体の溶解度が小さくなることを利用して、溶存酸素などを除く方法」です。真空脱気法は圧力を下げて、膜脱気法は気体だけを通す膜を使って気体を取り出します。脱酸素剤は溶存酸素と反応してこれを除く薬剤です。溶存酸素は点食などの腐食の主な原因です。
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清缶剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 軟化剤は、ボイラー水中の硬度成分を不溶性の化合物(スラッジ)に変えて、スケールの付着を防ぐ。
- 酸消費量付与剤は、ボイラー水の酸消費量やpHを適正に保つために使われる。
- 脱酸素剤には、タンニン、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジンなどがあり、ボイラー水の硬度を上げるために使われる。正解
- スラッジ調整剤は、ボイラー内でできたスラッジの結晶が大きく育つのを防ぎ、吹出しで出しやすくする。
- りん酸ナトリウムや炭酸ナトリウムは、軟化剤として使われる。
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誤っているのは「脱酸素剤には、タンニン、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジンなどがあり、ボイラー水の硬度を上げるために使われる」です。これらの脱酸素剤は、ボイラー水中の溶存酸素を取り除いて腐食を防ぐために使います。軟化剤は硬度成分を不溶性のスラッジに変え、スラッジ調整剤はそのスラッジを細かいまま保って吹出しで出しやすくします。
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ボイラー水の処理に使う薬剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 亜硫酸ナトリウムは、溶解固形分を増やさないので、高圧のボイラーに最も適した脱酸素剤である。
- ヒドラジンは、溶存酸素と反応して窒素と水になるので、ボイラー水の溶解固形分を増やさない。正解
- タンニンは、軟化剤としてだけ使われ、脱酸素のはたらきはない。
- 清缶剤は、ボイラー水の濃度が高いほど多く入れればよく、水質試験は必要ない。
- 脱酸素剤は、ボイラー水中の油脂分を分解するために使われる。
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正しいのは「ヒドラジンは、溶存酸素と反応して窒素と水になるので、ボイラー水の溶解固形分を増やさない」です。亜硫酸ナトリウムは酸素と反応して硫酸ナトリウムになるので、溶解固形分が増えます。タンニンも脱酸素剤として使われる薬剤です。清缶剤の量は水質試験の結果を見て決めます。
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ボイラーの休止中の保存法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 乾燥保存法では、ボイラー水を全部排出して内外面を清掃し、乾燥させた後、吸湿剤を入れて密閉する。
- 乾燥保存法の吸湿剤には、シリカゲルや活性アルミナなどが使われる。
- 満水保存法では、ボイラー内を水で満たし、薬剤を入れて保存水の水質を管理する。
- 満水保存法は、冬季に凍結のおそれがある場所で長期間休止する場合に最も適している。正解
- 満水保存法は、休止期間がおおむね3か月以内の場合に用いられる。
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誤っているのは「満水保存法は、冬季に凍結のおそれがある場所で長期間休止する場合に最も適している」です。満水保存では保存水が凍ると膨張して本体を壊すおそれがあるので、凍結のおそれがある場合や長期間休む場合は乾燥保存法をとります。満水保存法は休止期間がおおむね3か月以内のときに用い、保存水の薬剤の濃度を月に1回以上測って管理します。
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スケールとスラッジに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- スラッジは、伝熱面に固く付着した硬い沈殿物のことである。
- スケールは、炭素鋼より熱を伝えやすい。
- スケールが付着すると、ボイラーの排ガス温度は下がる。
- スケールが付着しても、水管や細い管の内部が閉塞することはない。
- スラッジは、ボイラー水中の不純物がボイラー底部などに沈殿した軟らかい泥状の物質で、吹出しで排出する。正解
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正しいのは「スラッジは、ボイラー水中の不純物がボイラー底部などに沈殿した軟らかい泥状の物質で、吹出しで排出する」です。伝熱面に固く付くのがスケールで、熱伝導率は炭素鋼より低く、伝熱を妨げます。スケールで伝熱が悪くなると排ガス温度が上がって効率が下がり、細い管では閉塞の原因になります。
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ボイラー用水の処理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- ボイラー内処理を行えば、補給水の外処理は、どのような原水でもまったく必要ない。正解
- 懸濁物は、凝集沈殿やろ過によって除去する。
- 給水やボイラー水の処理は、原水の水質とボイラーの種類・圧力に応じて方法を選ぶ。
- ボイラー内処理は、清缶剤をボイラー水や給水に注入して行う。
- 水処理装置の機能の異常の有無は、定期自主検査の点検項目の一つである。
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誤っているのは「ボイラー内処理を行えば、補給水の外処理は、どのような原水でもまったく必要ない」です。清缶剤による内処理だけでは、硬度の高い原水や懸濁物の多い原水には対応しきれません。懸濁物は凝集沈殿やろ過、硬度成分は軟化装置などの外処理で除き、残りを内処理で整えます。水処理装置の機能はボイラー則第32条の定期自主検査の項目です。
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ボイラーの清浄作業に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 酸洗浄では、酸だけを使い、腐食抑制剤(インヒビター)は加えないほうがよい。
- 酸洗浄の際に発生する気体は燃えることがないので、火気を近づけてもよい。
- 酸洗浄では、スケールを溶かす酸に腐食抑制剤を加えて、ボイラーの金属が溶けるのを抑える。正解
- 内部の清掃のためにボイラー内に入るときは、換気をしなくてよい。
- ボイラーの内部で使う移動電灯は、ガードのないものを使うほうが明るく安全である。
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正しいのは「酸洗浄では、スケールを溶かす酸に腐食抑制剤を加えて、ボイラーの金属が溶けるのを抑える」です。酸洗浄中は酸と金属の反応で水素が発生するので、火気を近づけません。清掃のために内部へ入るときは、冷却、換気、ガード付きの移動電灯、使用中のほかのボイラーとの管連絡の遮断がボイラー則第34条で求められています。
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ボイラー水の管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- ボイラー水は、腐食を防ぐため、適度なアルカリ性に保つ。
- ボイラー水の濃度が上がりすぎないよう、水質試験の結果に基づいて吹出しを行う。
- 給水中の溶存酸素は、ボイラーや給水配管の腐食の原因になる。
- ボイラー水の導電率を測ると、溶けている物質の量の目安が分かる。
- ボイラー水は、スケールの付着を防ぐため、酸性に保つのがよい。正解
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誤っているのは「ボイラー水は、スケールの付着を防ぐため、酸性に保つのがよい」です。酸性の水は鋼を腐食させるので、ボイラー水は清缶剤で適度なアルカリ性に保ちます。硬度成分によるスケールは、軟化や軟化剤でスラッジに変えて防ぎます。濃度が上がりすぎないよう、導電率などの水質試験の結果に基づいて吹出しを行います。
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次の文中の(A)、(B)に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。「単純軟化法では、(A)交換樹脂を充てんした軟化器に原水を通し、硬度成分を除く。樹脂の交換能力が下がったら、(B)を通して再生する。」
- A:弱酸性陰イオン B:塩酸
- A:強酸性陽イオン B:食塩水正解
- A:強塩基性陰イオン B:食塩水
- A:強酸性陽イオン B:水酸化ナトリウム水溶液
- A:強塩基性陰イオン B:水酸化ナトリウム水溶液
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正しいのは「A:強酸性陽イオン B:食塩水」の組合せです。カルシウムやマグネシウムは陽イオンなので、ナトリウム形の強酸性陽イオン交換樹脂でナトリウムと交換します。交換能力が落ちた樹脂は、食塩水を通すとナトリウム形に戻ります。塩酸や水酸化ナトリウムで再生するのは、純水を作るイオン交換の方式です。
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